証券会社やネット証券の選びかた〜初心者はこうやって選ぼう
株の取引をするには、まず証券会社やネット証券に口座を作る必要があります。
株を買ったり売ったりする取引は証券会社を通して行うのですが、証券会社によって手数料や扱っているサービスなどが異なるので、どこの証券会社を使うかという「証券会社の選び方」は重要なポイントとなります。
自分にあった使いやすい証券会社を選ぶことが大事なのですが、初心者のうちは「何を基準に証券会社を選べばいいかわからない」と思いますので、まずはどんな点に注目して証券会社やネット証券を選べばいいかを考えていきましょう。
■このページの内容
ネット証券と店舗型の証券会社の違いを知ろう
証券会社を選ぶには、まずはネット証券と店舗型の証券会社の違い知っておきましょう。
証券会社には店舗型の証券会社とネット証券があります。店舗型は大手証券会社などで、野村證券や大和証券のような対面で取引や相談ができる店舗を持つ証券会社です。ネット証券は実店舗を持たずネットでの取引がメインとなる証券会社で、主要なところではマネックス証券やSBI証券や楽天証券などがあります。
正確には「証券会社」というと店舗型もネット証券も含むのですが、会話で使われる場合は「証券会社」は大手などの店舗型、「ネット証券」はネット専業を指して使われることが多いです。
大手・準大手・中小の証券会社は規模や知名度の違いはありますが、取引をする私たち側からすればそこまで大きな違いはありません。(大手かどうかより、それぞれの証券会社ごとの特徴のほうが大事です)
ただ、ネット証券は店舗型の証券会社と大きな違いがあります。
ネット証券の特徴としては、店舗を持たずネット取引がメインのため、営業の証券マンの人件費がかからないので、ネット証券は店舗型の証券会社より手数料が非常に安いというメリットがあります。
そして取引のしかたが違います。ネット証券以外は基本的には対面取引がメインです。オンライン取引もできますし、近年はオンライン取引用のコースもありますが、両方使った人の意見ではオンライン取引の使いやすさなどはネット証券のほうが良いという意見が多いです。
ネット証券と店舗型の証券会社の大きな違いは「手数料」と「取引のしかた」です。
手数料の違い:店舗型とネット証券の違い
店舗型の証券会社は担当者がついてくれるので初心者には安心ですが、その分手数料はかなり高いです。
ネット証券と店舗型の証券会社の手数料を比較すると「こんなに違うの!?」と思ってしまうくらいです。
参考:ネット証券の手数料比較
対してネット証券では全てパソコンやスマホを通じてインターネットで取引を行います。専属の担当者はいません。その分手数料は非常に安く、専属の担当はいなくても電話サポート窓口はあるのでそこまで不便ではありません。
マネックス証券のようにパソコン操作のサポートまでしてくれるネット証券もありますからね。(電話のつながりやすさや対応の良さなどでもマネックス証券はおすすめです)
ネット証券なら口座開設は無料で口座の維持費などもかからないので、株初心者の方はまずはネット証券で口座開設をしてみると良いでしょう。
取引のしかたの違い:店舗型とネット証券の違い
大手の証券会社は基本的には対面取引がメインです。近くの支店で口座を開設して担当者がついて取引をします。口座開設も基本的には近くの支店の窓口に行って行いますので、近くに支店がない場合はけっこう不便です。
もちろん大手でもオンライン取引もできますし、近年はオンライン取引用のコースもありますが、両方使った人の意見ではオンライン取引の使いやすさなどはネット証券のほうが良いという意見が多いです。
店舗型とネット証券のメリット・デメリットの比較
店舗型の証券会社のメリット
まず、店舗型の証券会社のメリットは以下のようなものがあります。
- 担当者に相談しながら取引ができる
- 当日に口座開設ができる
- IPOなどで優遇される(資金や取引実績次第)
- 美男美女の担当者がつけばモチベーションが上がる
店舗型の証券会社のデメリット
デメリットは以下のようなものがあります。
- 営業の勧誘が面倒くさい
- 担当者が悪いと変な商品を勧められる
- 断るのが苦手な人には面倒
- 店舗に行くのが面倒
- 手数料はネット証券と比べると非常に高い
担当者が付くというのはメリットにもデメリットにもなりますね。どんな担当者がつくか、店舗型の場合は担当者との相性が大事です。
手数料を比較するとかなり違うのがわかりますので、手数料を気にする人には店舗型の証券会社は向いていません。高い手数料をサービス代と思える人向きですね。
店舗型の口座開設に関しては大手証券会社の窓口での口座開設の流れや手順を参考にして下さい。
ネット証券のメリット
次はネット証券のメリットです。
- 手数料が安い
- 取引ツールが充実している
- 営業電話などが一切無い
- パソコンやスマホで取引できる
- パソコンやスマホで口座開設もできる
ネット証券のデメリット
次はネット証券のデメリットです。
- 見てくれる担当者が居ない(電話サポートはあります)
- 口座開設は早くて翌日
- 一人なのでわからないことがあると挫折しやすい
大手証券などの店舗型の証券会社を選ぶ人の理由として「担当者がついてくれたほうが安心」というのがありますが、今はネット証券のサポートはかなり丁寧で教育もしっかりしていうので、そこはぜひ口座開設の申し込みのときでもいいので使ってみて判断してください。
必要なくても一度使ってみると「あ、これなら大丈夫かも」って安心できると思いますよ。
ネット証券のサポートに「この銘柄買いませんか?」などと勧められることもないですからね。(資格の問題などでできないはずです)
不安があるならサポートを使えばそこまで大きなデメリットはありませんね。
主な証券会社
ここで、どんな証券会社やネット証券があるか、名前を簡単に紹介しておきます。どうやって選んだらいいかなど詳しくはこの後解説していきます。
主要な店舗型の証券会社
主要な店舗型の証券会社として、大手証券と言われる5社があります。
- 野村證券(野村證券の詳細記事はこちら)
- 大和証券(大和証券の詳細記事はこちら)
- SMBC日興証券(SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- みずほ証券(みずほ証券の詳細記事はこちら)
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券(詳細記事はこちら)
主要なネット証券の一覧
主要なネット証券として、5大ネット証券と言われる5社があります。
- マネックス証券(マネックス証券の詳細記事はこちら)
- 楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
- SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 松井証券 (松井証券の詳細記事はこちら)
- auカブコム証券 (auカブコム証券の詳細記事はこちら)
証券会社の選び方
次に、証券会社の選び方を初心者目線で解説していきます。
まずは注文する方法(取引の方法)を決める
証券会社の選び方のポイントは、まずはどんな方法で株の注文をするか、つまり基本的な取引のしかたを決めることです。
取引の方法は主に以下のようなものがあります。
- 窓口での対面取引(店舗型のみ)
- 電話で注文するコールセンター取引
- スマホやパソコンを使ったネットでの取引(WEB・アプリ・ツール)
基本的に初心者の方は手数料が安いスマホやパソコンを使ったネット取引の方が多いですが、自分がどの方法をメインに株の取引をするかをまず決めます。
パソコンとスマホで取引する、など「組み合わせ」でも大丈夫です。
例えば今の仕事が営業マンで、常にパソコンの前にはいられないけど、株価がとても気になるなら、スマートフォンや携帯電話での取引がメインになるでしょうし、1日中パソコンの前に居られる人なら、インターネットでの取引が有利です。
手数料が高くてもいいから担当者がついてくれて対面や電話で相談しながら取引をしたいという場合はネット証券以外の証券会社を選ぶことになります。
100株ずつではなく1株ずつ買いたい場合は1株ずつ買える証券会社を選ぶ必要があるし、日本株だけでなくAppleやGoogleなどの米国株も買いたいなら米国株が買える証券会社を選ぶ必要があります。
このように、まずは自分の使える時間や投資方法によってどの取引形態をメインにするかを考えてみましょう。
手数料を比較してみる
取引のしかたが決まったら、次は証券会社の売買手数料を比較してみましょう。
窓口で取引するなら窓口での手数料の比較、ネットで取引するならネットでの取引の手数料を比較します。
手数料は証券会社によって違うのですが、一概に手数料が一番安いところがいいという訳ではないことに注意しましょう。
高すぎるのは投資成績にも影響するので考えものですが、最安値にこだわるよりは「安い水準に入る」ところの中でサービス面などを比較するのがポイントです。
例えばマネックス証券は、手数料では最安値ではないですが、充分に安い水準で投資成績を上げるのに有効な逆指値やツイン指値などのさまざまな自動売買注文ができたりします。
手数料が気になる場合は、1日の約定金額合計が100万円以下なら手数料無料で取引ができる証券会社をまず使ってみるのもオススメです。
ネット証券以外にも、大手の証券会社など店舗を持つ証券会社がありますが、ネット証券に比べると店舗型の証券会社は手数料が高く、口座開設は無料でも口座維持費がかかる場合もあります。
これらの店舗型の証券会社は手数料が高い分、担当者がついていろいろ相談したりアドバイスをもらえたりします。ただ、彼らも販売して手数料をもらうことが売上成績になるため、担当者によっては販売ノルマ達成のために良くない株を勧めてくる場合もあるようです。
そういうこともあるので、証券マンの言いなりに売買をするのはあまりおすすめできませんが、プロならではのデータや情報を持っていますので、使い方次第ですね。
初心者のうちは株の売買のやり方やデータの見方などを教えてくれるので多少お金はかかっても使ってみるのもいいかもしれません。(良い担当者がついてくれればですが・・・)
ただ、基本的な相談などはネット証券のコールセンターでも丁寧に答えてくれるので、まずはネット証券のコールセンターを活用してみて、それでも「やっぱり対面で相談したい」と思ったら大手証券会社で口座を作ってみるというのもありだと思います。
手数料は取引する金額によって違うため、注文金額によってどこが一番安いかは変わります。
手数料を選ぶときのポイントは、重要なので繰り返しになりますが「最安値」にこだわるのではなく、自分が取引しそうな価格帯で「安い水準のところ」をいくつかピックアップし、その中からサービスや情報など他の使い勝手で選ぶことです。
サービスや情報の違いを比較する
証券会社によって市況情報などの提供してくれる情報や、扱える売買注文の方法などが違います。
例えば注文方法なら、証券会社によって逆指値注文(ある値段まで値上がりしたら買い注文を出す)等の条件付注文ができる証券会社とできない証券会社があります。
このあたりは初心者の方にはまだ難しいかもしれませんが、注文方法の比較ページも作ってあります。
また、先程も書きましたが、1株ずつ買いたい場合は1株ずつ買える証券会社を選ぶ必要があるし、AppleやGoogleなどの米国株も買いたいなら米国株が買える証券会社を選ぶ必要があります。
また、無料でセミナーを行っている証券会社や、口座を作ればいつでもオンラインセミナーを視聴できる証券会社もあります。
サービスの詳細などは証券会社ごとに違いますが、ネット証券なら基本的なサービス(株価チャートやリアルタイムの株価情報、会社四季報など)はどこのネット証券会社でもインターネット上で見ることができます。
ただし、画面の使いやすさなどは人それぞれなので、色々な証券会社の口座開設(無料)をしてみて、自分にあった証券会社を選ぶのが一番です。
ネット証券の口座開設は無料なので、色々資料をとりよせてみたり、初心者におすすめの証券会社から主な証券会社のサイトを見てインスピレーションで選んだり、できれば実際に口座開設をして使ってみると比較しやすく自分にあった証券会社を見つけられます。
口座を作ればいろいろなトレーディングツールなども無料で使えるようになります。
初心者の方におすすめの無料サービスとしては、マネックス証券のアラートメール(株価の変動などをメールで知らせてくれるサービス)、複数のリアルタイム株価が見れるマーケットボード、取引ツールはスマホなら岡三かんたん発注などです。
アラートメールは特におすすめで私もずっと使っています。
複数の証券口座を持つメリットは大きい
証券会社の口座は銀行口座のようなものです。複数持ってはいけないという決まりはありませんし、口座を作ったからって使わないといけないこともありません。ネット証券なら口座維持費もかかりません。
そのため、いくつかの証券会社に口座を開いてみて、使い分けるのも賢い使い方と言えます。というより、稼いでいるトレーダーは複数の口座を持っています。(参考:複数の証券口座開設って本当に必要なの?)
例えば普段は手数料も安く、パソコンの前に居られない日でも逆指値注文などの条件付注文が豊富なマネックス証券で自動売買、小額取引をする時は1日の約定金額合計が10万円以下なら手数料無料のネット証券を使う、といった形で手数料を節約することもできます。
複数の口座を使い分けることのメリットとしては手数料の節約だけでなく、様々な情報ツールを使うことができるという点にもあります。
例えば外出先で取引をするときは、スマホで取引がしやすい岡三かんたん発注が使える岡三オンラインを使えるようにしておくとよいでしょう。
パソコンのほうが画面が大きい分見やすいので情報収集には良いですが、取引時間内はマネックス証券のマーケットボードが複数の銘柄のリアルタイム情報をパッと見れるので便利です。
おすすめとしては初心者の方はまずマネックス証券、スマホ取引がメインの方は岡三オンライン、それと組み合わせとして他にいくつか(SBI証券、楽天証券など)の口座開設をしてみることです。
複数の口座を持っていればIPOにもたくさん参加できますからね。
証券会社の選び方のまとめ
証券会社の選び方は重要で、どこの証券会社を使うかで投資の成績に大きな差がつくこともあります。
手数料の違いはもちろん、取扱商品(外国株やIPOなど)、取引ツールやサイトの使い勝手の違い、投資信託の取扱商品数も違います。
大手などの店舗型の証券会社かネット証券かで手数料は大きく違うし、手数料の安さを重視するのか、手数料は高くても相談して取引したいかはその人のスタイル次第です。
「大手だから安心」かというとそうでもなく、大手の某証券会社は「ノルマ証券」などと呼ばれることもあるほど営業マンにきついノルマを課し、ノルマ達成のために知識の乏しい顧客に不利益な取引をさせ続けていたことが問題になったこともあります。
「ネット証券は人件費削減で手数料が安いからサポートも悪いのではないか」というとそんなことはなく、マネックス証券やSBI証券のようにサポートの良さで賞を取っているネット証券も出てきています。
証券会社を選ぶときは「大手だから安心」「安かろう悪かろう」という思い込みは外して考えたほうがいいですね。
「それじゃあ結局どこを選んだらいいの?」
と迷ってしまうかもしれません。
そんなときは、まずは”使いやすい証券会社”で自分の中に「基準」を作るというのがおすすめです。
使い勝手やツールは人によって好みや求めるものが違います。同じ人でも投資の経験や投資スタイルの変化によってツールに求めるものが変わります。
投資スタイルやデザインの好みなどは皆違うので、誰にとっても「ここがおすすめです」というのは決めることができません。
しかし、初心者の方がはじめて口座を作るなら、初心者の方の満足度が高いネット証券としては、マネックス証券や岡三オンラインが挙げられます。
- マネックス証券
↑公式サイトはこんな感じです - マネックス証券の解説(当サイトの解説ページです)
- 岡三オンライン
↑公式サイト - 岡三オンラインの解説(当サイトの解説ページです)
いろいろ口座を作ってみて、デザインや使い勝手が自分の感覚的にピンときたところを使ってみるのがよいと思いますが、面倒な場合はまずは初心者の方にとって使いやすさで評判の良いマネックス証券や、スマホ取引の場合は岡三オンラインの岡三かんたん発注などを使ってみるのもよいでしょう。
そうやって自分の中に”基準”ができたら、「もっと長期のチャートが見れるところがいい」「たくさんの銘柄の株価を一画面で見れるのがいい」というような自分なりの「こういうのがいい」というニーズが出てきます。
そこでニーズに合う証券会社をあらためて探してみるのもいいと思います。基準がないと始まらないので、取引を行うかどうかは置いておいて、まずは口座を作ってみましょう。
>> 図解:ネット証券の口座開設方法
>> 初心者におすすめのネット証券
>> ネット証券資料請求先一覧
>> ネット証券キャンペーン情報
ネット証券の詳細ページ
- マネックス証券の詳細 ・・・ 使いやすくて初心者に人気
- 岡三オンライン ・・・ スマホ取引がしやすく情報が豊富
- SBI証券の詳細 ・・・ 手数料が安く利用者の多い人気のネット証券
- 楽天証券の詳細 ・・・ 楽天会員におすすめ、ツールも多機能
- SBIネオトレード証券の詳細 ・・・ 手数料が安い
- 松井証券の詳細 ・・・ 老舗のネット証券
- auカブコム証券の詳細 ・・・ 自動売買などツールが豊富
- GMOクリック証券の詳細 ・・・ 初心者からプロまで幅広く対応