「成行注文」ですぐに買う
成行(なりゆき)注文というのは、株を買うときの基本的な注文方法で、「いくらでもいいから買う」というように値段を決めずに注文する方法です。
「安く買いたい」「高く売りたい」よりも「今すぐ買いたい」「今すぐ売りたい」を優先するときに使う注文方法が成行注文です。
注文した時点で一番安い売り注文の値段で買えます。詳しく解説していきましょう。
成行は「とにかく今すぐ買う!」
成行注文は値段を決めずに「いくらでもいいから買う!」という注文方法です。値札を見ずに買い物をするようでちょっと怖いですよね。
どういう時に成行注文を使えばいいかというと、「急いで買いたいとき」や「確実に買いたいとき」に使うのが成行注文です。
株価が急上昇したら成行
株の値段はときどき急上昇することがあります。例えばいいニュースが発表されて株の値段が急上昇している時は、指値で注文を出しても、注文を出した時点ですでに自分の出した値段より株価が値上がりしてしまって買いそこねる場合があります。
成行注文は値段を決めずいくらでもいいから買う!という注文方法なので、そういう急上昇時など、確実に買いたいときには成行で注文すれば、そういう時にも買いそこねることはありません。ただし、成行注文にはリスクもあるので注意しましょう。
成行注文のリスクは高値買い
成行注文は、値段を決めずに買ってしまうので、思わぬ高値で買ってしまうリスクもあります。成行注文での失敗のよくあるケースです。
買い注文と売り注文の間に開きがある場合、たとえば今の株価が100円で、120円まで売りの注文がなかったとした場合、100円と120円の間にはかなりの開きがあります。
この時に成行で買いの注文を出してしまうと、120円で買ってしまいます。指値の場合は、例えば101円くらいで注文をしておけば、その値段以上で約定されることはないので、思わぬ高値で買ってしまうことはありません。この差はかなり大きいです。
成行と指値の違いと使い分け
成行注文と指値注文の違いは値段をしていするか指定しないかですが、この2つの注文方法をうまく使い分けることで、高値をつかまない、買い逃さないなど、効率よく株の売買ができます。
普段は指値・急いで買う時は成行
まず今の株価より安く下がったときに買いたいときは指値注文ですね。
今すぐ買いたいというときは指値注文で今の株価より高めに注文を出しても成行注文でもどちらでもいいです。
「じゃあ成行注文て要らなくない?」と思ってしまうかもしれませんが、「高くてもいいから急いで買いたい」とき、例えば絶対買いたいタイミングで株価急上昇時や、引け(その日の取引終了時間)間際で急いで買うとき、会社でスマホでこっそり取引をしていて値段を入力している時間がないときなど、急いで買いたいときに成行で注文を出すのがいいでしょう。
成行注文の使い時
成行はちゃんと見て注文しないと高く買ってしまうリスクもあるので、初心者のうちは通常は指値で注文をして、急ぐときだけ成行注文という感じがよいでしょう。
また、成行注文は今すぐ買いたいとき以外にも、朝イチの始値で買いたいというときにも使えます。
あとは少し高度になりますが逆指値注文や、終値で買いたいというようなときに成行注文に執行条件をつけた引成(ひけなり)なども使えます。
成行注文は板(気配)を見て行う
ここまでの説明だと初心者のかたは成行注文は恐い注文方法だと思ってしまうかもしれません。
成行で注文する場合、高値をつかまず安全に注文を出したい場合は「板」をみて注文状況を確認しておけば大丈夫です。
板については次のページで説明しますが、売りと買いの注文状況が見れるのが板です。板を見て注文状況を確認すれば成行注文でもいくらで約定されるかだいたいわかります。
指値で注文するときでも板は「どれくらいだと買えそうか」と参考にしますので、板を見るのは基本でありけっこう重要な部分です。
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