株価チャートで何がわかる?
ローソク足チャートの基本的な見方は基本のローソク足のページで説明しました。ローソク1本で高値・安値・始値・終値がわかるということでしたね。
ではそのローソク足を見ることや、ローソク足を組み合わせた株価チャートをどう投資の判断の基準にしたらいいのか?について解説していきます。
買い方が強いか、売り方が強いか

ローソク足チャートは、陽線の場合は始値より終値のほうが高く終わっているので、その日は買い方の勢いのほうが売り方の勢いよりも強かったことを意味し、ローソクの長さが長いほど強い勢いがあります。
- 陽線・・・買いのほうが強い
- 陰線・・・売りのほうが強い
- ローソク足の長さ・・・勢いの強さ
株のしくみ/株価のページで解説したとおり、株価は私たち投資家が買いや売りの注文を出すことで決まります。買いの注文のほうが多ければ、売りたい人は売値を上げて高く売ることができるので、株価は上がっていきます。
陽線は株価が上がった状態で終わったときに出るので、陽線の日は買い方のほうが勢いが強かったことがわかります。逆に陰線の日は売り方のほうが勢いが強かったことがわかります。
十字線 − 買い方と売り方の勢いが同じ

買いと売りの勢いが同じ場合、始値と終値が同じ値段になり、ローソクの形にならないばあいがあります。これを十字線といい、株価の流れの転換点になります。特に、高値圏や安値圏で出た場合は株価の流れが逆の方向に向かう可能性があるので注意が必要です。
株価が上昇を続けている時は、「まだまだ値上がる」という強気の買い方の勢いが強いのですが、あまり高くなってくると、「そろそろ下がり出すんじゃないか?」という高値警戒感や、十分に利益が出てきた利益確定の売りの注文が出てきます。
今まで勢いの強かった買い方と同じくらい売り方の勢いが強くなるとこのサインが出てくるので、その後売り方の勢いのほうが強くなれば下げ相場に転換する可能性も出てきます。
ただし、十字線が出た翌日また陽線で値上がりを再開すれば、買い方優勢は変わらないので株価の上昇の流れの継続が見込めます。
チャートにして株価の動きを把握する
ローソク足がわかったら、次はそれを組み合わせたチャートです。
ローソク足が組み合わさってチャートの形になると、これまでの株価の動きがわかるようになり、そこから今後の動きの予想がしやすくなります。
こんな風にチャートの形になると、これまで株価がどう動いてきたかがわかりやすいですね。そして1本1本はローソク足なので、始値・終値・高値・安値もわかります。
「組み合わせ」で見ると正確さが増す
チャートの見方として、1つのチャートだけでなく組み合わせて見ることをおすすめします。
- 長期のチャートと短期のチャート
(大きな流れと今の流れ) - 全体のチャートと個別のチャート
(全体の流れと個の流れ)
というような組み合わせですね。
1年の長期チャートと1ヶ月の短期のチャートを見ることで、「長期的にはこう動いていて、今(短期)はこんな動きをしている」というのがわかります。
例えば、1ヶ月のチャートでは株価が上がり基調でも、長期で見たら下がっていることもあります。専門用語で言うと「短期チャートでは上昇トレンドだけど長期チャートでは下降トレンド」ということですね。
これだと上昇しているのは一時的かもしれません。
逆に短期チャートで上昇していて、長期チャートでも上昇している場合は今後も上がり続けることが期待できますね。
このように長期と短期を組み合わせることで、大きな流れと今の流れを両方見て、投資判断の正確さを上げていきます。
同様に、日経平均などの市場全体のチャートと個別銘柄のチャートなど、マクロとミクロの両方を見ることで、大きな流れとその中での小さな動きを組み合わせて判断することで、投資判断の正確さを上げます。
で、結局何がわかるの?
結局何がわかるのかというと、チャートはその日の値動き(=投資家たちの心理)を見やすいようにグラフに表現したものです。
「なぜそう動いたのか、なぜ買い(売り)が強まったのか」など投資家の心理を考えつつ、「こう動いたならみんなはどう動く(どう思う?)」という心理を考えていくことが大事です。
投資家たちの心理を考えるための参考として、数字ではわかりにくいのでチャートというビジュアル的に動きがわかりやすい形で値動きを見ているんです。
次は「チャートに現れる投資家の心理」について解説します。
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