IPOの当選確率を上げるには
IPOについての解説(IPOの効果的な買い方)のページで書いたとおり、IPOの初値売りは、簡単で、儲かる確率も高い”おいしい投資”だというのはわかりました。
しかし、そうなるとみんながIPO投資を狙うため、基本的にIPOは抽選になり、当選しなければ公募価格で買うことはできません。
IPOの抽選に参加することでお金が減ることはありませんのでたくさん申し込んで問題ないですが、せっかくなのでたくさんのIPOに当選して利益を増やしたいですよね。
そこで、ここでは少しでもIPOの抽選で当選する確率を上げる方法を、定番の手堅い方法からちょっとした裏技まで紹介していきます。
1.たくさん売り出す”主幹事証券会社”を探す
まず基本ですが、IPOの株は全ての証券会社に平等に割り当てられるわけではありません。新規公開の株を引き受ける証券会社を幹事や引受証券会社などといいますが、その中でも「主幹事」となる証券会社があり、新規上場する株の約半数は主幹事の証券会社が引き受けます。
- 主幹事のA証券 ・・・ 90%
- 幹事のB証券 ・・・ 5%
- 幹事のC証券 ・・・ 3%
- 幹事のD証券 ・・・ 2%
というように、同じIPOでも割り当てられる株式の割合は主幹事が圧倒的に多くなります。
実際の例を見てみましょう。2018年に上場のアクリートという会社のIPOの割当です。(画像はYahoo!のIPOのページのキャプチャです)
主幹事のSMBC日興証券に90%が割り当てられ、残り10%が主幹事以外の証券会社に割り振られています。
IPOでの当選本数は、100株単位なので主幹事のSMBC日興証券は8280本、みずほ証券が368本、SBI証券が276本、マネックス証券が92本となります。
引き受ける株数が多いということは、それだけ当選する確率も高いということですので、IPOの抽選に申し込むときは主幹事の証券会社では積極的に参加してみましょう。
そのためにいろんな証券会社の口座を持っておくと有利ですね。
ネット証券も主幹事になることはあります。2005年にマネックス証券がネット証券初の主幹事になり、同年は3つの主幹事を務めるなど、それ以後ネット証券が主幹事になるケースも増えています。
ネット証券は抽選の配分(※次の項目で解説します)が多く、主幹事になった時はおいしいのでしっかりとおさえておきましょう。
どこが主幹事をするかはYahoo!のIPOのページなどで見ることができます。
■主幹事実績の多いネット証券 (ここに口座を持っておくと有利)
SMBC日興証券 SBI証券
野村證券など
抽選配分(抽選にまわってくる比率)と抽選方法も考える
IPOは「裁量配分(店頭配分)」(お得意様に配分)と「抽選」があります。
裁量配分は大手証券会社などで優良顧客になり担当者にIPOをまわしてもらうものです。口座に巨額の資金を入れたりたくさん手数料を使ったりして、担当者にIPOをまわしてもらいますが、担当者の言いなりでは大損をしてしまう可能性もあるため知識と経験と交渉力が必要となります。
そのため、基本的に多くのIPO初心者の方は抽選で狙うことになるでしょう。
ここで、IPOの何割が抽選にまわってくるかが重要になります。
これは証券会社によって違います。例えば大手証券会社は抽選にまわってくるのは10%だけ(90%はお得意様にまわす店頭配分)というところが多いです。
しかし、ネット証券なら100%抽選にまわってくるマネックス証券や楽天証券、個人投資家へのIPO配分の70%が抽選にまわってくるSBI証券 などは、10%しか抽選にまわってこない大手証券より抽選にまわってくる比率が上がります。
■抽選配分が多いネット証券と抽選配分(ここに口座を持っておくと有利)
また、抽選方法も考える必要があります。
抽選方法も考える
抽選にも申込み株数に関係なく1人1口の権利の「完全平等抽選」(マネックス証券など)と、資金が多いお金持ちが有利な抽選方法(SBI証券など)があります。
■完全平等抽選
完全平等抽選は、100株の申し込みでも1万株の申し込みでも抽選の口数は同じ1口になります。
大手証券会社も抽選にまわす割合は10%と少ないですが、抽選分はこの完全平等抽選のところが多いです。当選するのは100株だけという場合が多いです。
■資金が多いほうが有利な抽選
それに対してSBI証券は、資金が多いほうが有利な抽選方法です。
100株申し込めば1口、1000株申し込めば10口、1万株申し込めば100口と、申込株数が多いほど抽選の口数も上がるので資金が多い人ほど有利になります。(ライバルも多いので数百万程度の資金では微妙ですが・・・)
こちらは理論上は数百株の当選もあり得ますが、確率を考えると当たっても100株だけということが多いでしょう。
資金がたくさんある人はSBI証券が有利ですし、そうでない人は他の証券会社にたくさん口座を持って複数の証券会社から申し込むのがいいでしょう。
このあたりはIPOに有利な証券会社は?のページで解説しているのであとで読んでみてください。
2.優遇サービス等を利用する
最近ではIPOのためだけにたくさんの株の口座を作る人が増えるなど、IPOは人気があります。そこでネット証券各社もIPOに関する色々なサービスを出していて、うまく使えば有利にIPO抽選に参加することができます。
IPOの抽選は資金が少ない個人投資家でも平等の抽選確率で抽選をしてくれるので、応募数を増やすために口座を複数持っておくのはIPOに当選するための基本です。
また、岡三オンラインとSBIネオトレード証券の事前入金不用も資金効率を高めるためにぜひ活用したいですね。※事前入金不用の詳細はこちら
マネックス証券 | IPOの抽選方法が公平で1人1単位。 資金の少ない人でも当選の確率は同じ。 未成年でも口座開設できるので 家族みんなで当選を狙うことも可能。 2020年のIPO取扱数50件 |
SBI証券 | IPOに外れるたびにポイントがもらえる ポイント利用で当選確率アップ (IPOチャレンジポイントの詳細) 申込単位が多いほど抽選口数が 増えるので資金が多いと有利。 2020年のIPO取扱数85件 |
楽天証券 | IPOの抽選方法が公平で1人1単位。 抽選後に倍率がいくらだったかわかる 2020年のIPO取扱数38件 |
SMBC日興証券 | 取扱数と主幹事の実績が多い。 抽選の配分は10%ですが 資金の少ない人でも当選の確率が同じ 完全平等抽選。 2020年のIPO取扱数52件 |
岡三オンライン | IPO抽選時には資金を用意する必要なし! 当選したら資金を用意すればいいので 小資金の人でも複数のネット証券から IPO抽選に参加可能※詳細はこちら 2020年はIPO取扱数39件 資金がある人はIPOステージで有利に |
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岡三オンラインと同様に当選してから 資金を用意すればいいのでおすすめ! ただIPO取扱数は2020年は7件と少なめ。 |
まあ、この6つの証券会社と、それに加えてできれば大手のみずほ・野村・大和のオンライン取引用の口座も持っているとかなり抽選に参加できていいですね。
3.たくさん申し込む
IPOの当選確率を上げる基本的な方法は、とにかくたくさんの証券会社に口座を持っておくことです。どの新規上場銘柄がどこの証券会社で取扱いされるか、またどこの証券会社が主幹事になるかわかりません。
自分が口座を持っていない証券会社が主幹事になり、あわてて口座開設を申し込むと間に合わないこともあるので、たくさんの口座を持っておき、チャンスのときにどこの証券会社からでも申込ができるようにしておけば心に余裕もできます。
当然ですが、申込をする数が多ければそれだけ当選の確率も上がります。IPOのためにいくつも株の口座を作るのは基本で、主幹事の多いマネックス証券やSMBC日興証券はもちろん、資金を用意せず抽選に参加できる岡三オンラインとSBIネオトレード証券は口座を持っておいて申込数を増やしておきたいですね。
このあたりに関してはIPOに有利な証券会社にも書いてあります。
それだけでなく、マネックス証券のような未成年でも口座開設ができるネット証券で子供も口座を作り、家族みんなでIPOにたくさん応募するという人もいます。
「誰が当たるか?」なんて家族でIPOを楽しむこともできますね。
※家族といえど他人名義の利用はできません。みんなで楽しんでくださいね。
宝くじにしろプレゼント応募にしろ、確率でいえば1口の応募より2口の応募のほうが当選確率は2倍。IPOの申込は切手代すらかからないし外れてお金を損することはないのでたくさん申し込むのが基本です。
以下は2020年度の主なネット証券等のIPO取扱い数の実績表です。ネット証券会社名 |
2020年 取扱数 |
抽選方法 ※ |
おすすめ度 |
SBI証券 | 85 |
70%抽選※ 30%ポイント 資金が多い人ほど有利 |
★★ 取扱数多いが ライバル一番多い |
SMBC日興証券 | 52 |
10%完全抽選 | ★★★ 主幹事多い |
マネックス証券 | 50 |
100%完全抽選 | ★★★ 抽選配分多い |
岡三オンライン | 39 |
10%完全抽選 | ★★★ 事前入金不要 |
auカブコム証券 | 38 |
100%完全抽選 | ★★★ 抽選配分多い |
auカブコム証券 | 19 |
100%完全抽選 | ★★ 抽選配分多い |
松井証券 | 18 |
70%完全抽選 | ★ 取扱数少ない |
|
7 |
10%完全抽選 | ★★ 取扱数少ないけど 事前入金不要 |
※「抽選※」は申し込みが多いほど口数が多くなるため、資金が多い方が有利です。
詳しくは2020年の取扱数や抽選比率などのデータを見てください。
上の表のネット証券会社名から各ネット証券会社の公式ページにリンクしています。口座開設の申し込みは公式サイトからできます。
口座開設の申し込みのやり方や流れは口座開設の手順のページを参考にして下さい。
口座開設キャンペーンなどもあるため、口座開設だけでもお得になるネット証券も多数あります。(参考:現在の口座開設キャンペーン一覧)
たくさん口座があったほうが有利ですが、「まずは1つ口座開設してみよう」という方は、IPOに使える資金が1000万円以上あるなら「SBI証券」、それ以下の資金なら「マネックス証券」がおすすめです。(理由はIPOに有利な証券会社を参照)
IPOに関してのおすすめのネット証券
当サイトでIPOに関してのおすすめのネット証券は取扱数と主幹事実績からマネックス証券、SBI証券 、楽天証券、SMBC日興証券です。
そして資金を入れないままでも抽選に参加できる岡三オンラインとSBIネオトレード証券です。
特にこれからIPOを始めるという方は、まずマネックス証券とSMBC日興証券か楽天証券、そして抽選に参加できる数を増やすために資金を入れないで抽選に参加できる岡三オンラインとSBIネオトレード証券にも口座を持っておくと便利です。
※より詳しくはIPOに有利な証券会社を参照してください。
SBI証券は資金が多い人ほど有利なので、1000万円以下くらいの資金で当選を狙いたい方はマネックス証券、岡三オンライン、SMBC日興証券で口座開設をし、IPOに参加してみて下さい。
そしてSBI証券も口座開設をしておき、たくさんIPOに申し込んでIPOポイントを貯めておくと、いざ「これは!」という企業が上場したときにIPOポイントを使って有利に抽選に参加できます。
ネット証券会社への複数口座開設申し込みは当選確率を上げる基本になりますので、まずはここで挙げたネット証券に申込を済ませてくださいね。申し込みが済んだら、さらに少しでも当選確率を上げるための「3つのテクニックと裏技」も見てみてください。
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