銀行のNISAのデメリット〜新NISAや積立NISAの口座を作る前に
最近は銀行の窓口やATM、銀行から送られてくるメールやネットバンクのホームページ等でよく新NISAやつみたてNISAを薦めているし、NISAのキャンペーンなどもたくさん行われていますが・・・
銀行の新NISAやつみたてNISAにはデメリットがあります!
いろいろな専門家に聞いても積立NISAは銀行はやめたほうがいいという意見が多いようです。
もちろん、銀行のメリットもあるので銀行のNISAが悪いわけではないのですが、証券会社やネット証券と比べたときの銀行のNISAのデメリットを知らないまま口座を作ってしまって後悔する人も多いようなので、メリットだけでなくデメリットもちゃんと知ったうえで銀行のNISAを検討しましょう。
■このページの内容
先に結論を伝えると、銀行のNISAのデメリットは、株やETFが買えないこと、投資信託もネット証券と比べたときに選べる商品数が圧倒的に少ないことです。
銀行のNISAのメリット
銀行のNISAのメリットは
- いつも使う銀行で安心感がある
- 窓口で相談しながら新NISAや投資を始められる
- 預貯金と同じところで投資も管理できる
この3点があります。
いつも使う銀行で安心感がある
投資の初心者の方が銀行のNISAのメリットと感じるのはこれでしょう。投資がよくわからなかったり難しいイメージがあると、「証券会社」というものに心理的なハードルの高さを感じる人も多いです。
窓口で待たされるのは嫌だけど、わからないことを始めるときに「いつもと同じところ」という安心感はありますよね。
窓口で相談しながら新NISAや投資を始められる
また、窓口で相談しながら始められるというのも初心者の方にとっては大きなメリットです。
新NISAが何かよくわからない、そもそも投資なんてしたことがない、そんな状態で証券会社に行くって心理的にハードルが高いですよね(実際はそういった方にわかりやすく説明してくれる親切な証券会社もありますよ)。
このメリットは地方銀行では特に強いところが多いです(参考:地方銀行のつみたてNISAのメリット・デメリットや評判)。
預貯金と同じところで投資も管理できる
預貯金を管理しているのと同じところで管理できるから手間がかからなそうというのも初心者の方がメリットとして感じるよくある意見です。
銀行のNISAのデメリット
一方で、銀行のNISAにはメリットだけでなくデメリットもあります。
このデメリットを知らないまま銀行でNISAの口座を作って後から後悔する人が多かったり、「銀行の積立NISAはやめたほうがいい」なんて言われることもあります。
わかったうえで銀行でNISAの口座を作るなら問題ないですが、後から「そんなの知らなかった!」って後悔するのは嫌なので、しっかりと知ったうえで検討しましょう。
- 株やETFは買うことができない
- 投資信託の取扱本数がネット証券と比べて少ない
- クレジットカードで投資信託が買えるクレカ積立はできない
この3点が「銀行でNISA口座を作って後悔した」という人の多くが共通して言っていることが多いデメリットです。
株やETFは買うことができない
株式やETFが買えるのは証券会社だけなので、銀行や農協など証券会社以外の新NISAでは株を買うことができません。
今は株も1株ずつ買うことができるので、数百円で大企業の株を買うことが出来たりします。「だったら株も買いたい」という人は多いです。
また人気のAppleやGoogleなどの米国株やVTIやVOOなどの米国ETFももちろん買うことはできません(米国株やETFは証券会社でも買えるところが限られます)。
投資信託の取扱本数がネット証券と比べて少ない
もう一点の大きなデメリットは投資信託の取扱本数がネット証券と比べて少ないことです。
銀行の一般NISAで買える投資信託は多いところで数百本(多い三菱UFJ銀行で約500本、ゆうちょ銀行で約150本)、少ないところだと数十本しかありません。
つみたてNISAになると、銀行はほとんどが20本以下、10本以上あれば多いほうで、少ないところだと5本以下という銀行も多いです。
これは大手の店舗型証券会社も同じですが、マネックス証券や楽天証券などの大手ネット証券の場合はつみたてNISAでも150本以上の商品が選べます。
クレジットカードで投資信託を買う「クレカ積立」ができない
つみたてNISAや新NISAのつみたて投資枠でクレジットカードで投資信託を積立購入してクレジットカードのポイントをもらうということが銀行のNISAではできません。
これができるのは今のところネット証券だけです。
マネックス証券などは年会費をかけずに最大1.1%のポイントがつけられるので、これだけでもけっこう大きな差になります。
これらのデメリットが大きいため、新NISAや積立NISAは銀行ではやめたほうがいいなんてよく言われます。
これはメガバンクだけでなく、地方銀行も同じです(参考:地方銀行のつみたてNISAのメリット・デメリットや評判)。
「積立NISAを銀行で始めてしまった!」という場合でも、金融機関の変更もできます。1年に1回変更ができるので、「新NISAからは銀行ではなくネット証券に変える」ということもできますよ。
ちなみに、株もNISAではなく普通に買うだけなら、ネット証券の口座を作ればすぐに買えますよ。
> ネット証券の口座開設のやり方
銀行で新NISAや積立NISAの口座をつくる前の注意点
銀行で新NISAや積立NISAの口座をつくる前に知っておきたい注意点は以下の5点です。
- 1人1口座しか持てない
- 株やETFは買うことができない
- 銀行によって取扱商品や手数料が異なる
- ネット証券は10倍以上の選択肢がある
- 変更は年度ごとに可能
1人1口座しか持てない
新NISAの口座は1人1口座しか作れず、1度NISAで投資をしたらその年は他の金融機関に変更することができません。
1人1口座しか持てないので、どこで口座開設をするかは非常に大事なポイントになります。
取引がしやすいか?窓口がいつも混んでいないか、窓口の人の投資の知識はどうか?ネットで取引ができるか、ネット取引は使いやすいかなど、しっかり確認しましょう。
株やETFは買うことができない
銀行のNISAでは株やETFを買うことはできません。
銀行のNISAで購入できるのは主に投資信託だけになります。
銀行によって取扱商品や手数料が異なる
新NISAやつみたてNISAは金融機関ごとに取扱する商品が大きく異なり、特に投資信託の取扱数はかなり差があります。
NISAの口座を作ろうと思っている銀行はどのくらいの商品があるのか(成長投資枠で買える商品、つみたて投資枠で買える商品)、どんな商品があるのか、手数料はどうなのか?など検討してから決めることを強くおすすめします。
ネット証券は10倍以上の選択肢がある
投資信託の取扱数は、差があるって言ってもそんなに大きくないでしょ?と思うかもしれませんが、現状はかなりの差があります。
銀行のNISAだとそもそも株やETFが買えないうえに、投資信託も一般NISAで100程度、つみたてNISAは20以下が普通です。
ネット証券は一般NISAで1500以上、つみたてNISAも150以上とかなり差があります。
窓口で口座を作る時は「取扱商品は金融機関によって違います」と説明はされたけど、「ここまで差があるなんて知らなかった!」と思う人も多いです。
銀行によって取扱商品や手数料が異なる
新NISAやつみたてNISAは金融機関ごとに取扱する商品が大きく異なり、特に投資信託の取扱数はかなり差があります。
NISAの口座を作ろうと思っている銀行はどのくらいの商品があるのか(成長投資枠で買える商品、つみたて投資枠で買える商品)、どんな商品があるのか、手数料はどうなのか?など検討してから決めることを強くおすすめします。
- NISAの口座でどんな商品を扱うのか?
- NISAの口座での手数料は?
- その金融機関での取引しやすいか(使いやすいか?)
などを基準に新NISAの口座をどこで作るかを選ぶとよいです。
参考:NISAは銀行と証券会社どっちがいい?違いをわかりやすく解説
変更は年度ごとに可能
前の話を聞くと身構えてしまう人もいるかもしれませんが、新NISAは年度ごとに金融機関の変更が可能です。
安心できるいつもの銀行でNISAを始めてみて、やっているうちに詳しくなって「銀行のNISAはデメリットしかないというのはこういうことか!」とわかったら、翌年からNISAの口座変更をすればいいです。
NISAの金融機関変更という手続きもあり、一生変えられないものではないので、慎重になりすぎなくても大丈夫ですよ。
ネット証券は無料で口座開設できますし、口座開設キャンペーンを行っていて口座を作るだけでお得なところもありますので、銀行のNISA口座を作る前にまずは試しに口座を作ってみて検討してみて下さい。
>> ネット証券の口座開設のやり方を図解で解説
>> ネット証券のキャンペーン情報一覧
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