株価はどう決まる?株価が上下する仕組みと人の心理・お金の流れ
株価はどのように決まるのか?株はどこで売買されているのか?など、まずは株式投資の基本的な仕組みを理解しましょう。
株を買うときには「株価×株数」の金額が必要になりますが、この株価は常に動き続けています。
株価が安いときなら安く買えるし、株価が高ければその株を購入する資金もたくさん必要になります。
株価が安いときに買って高いときに売るのが理想ではありますが、その前にまず株価はどうやって決まるのかと、株価が動く原因となる人の心理やお金の流れについて知っておきましょう。
このページの内容
株価はどうやって決まるの?
株価を決めるのは、私たち投資家の売買です。株価というのは、「○○円で買いたい」という投資家と、「○○円で売りたい」という投資家の間で、値段の折り合いがついたところで売買が成立します。
一番最後に折り合いがついた値段が現在の株価になるのです。
例えば、ある株は現在の株価が100円でした。決算の発表が良いものだったので、Aさんは100円で買いの注文を出しました。Bさんは、どうしてもその株が欲しかったので、150円で買いの注文を出しました。その株を持っていて売りたいCさんは、当然高い値段で買ってくれるBさんに売りますので、その株には150円の値段がつきます。
上の例の場合、売りたい投資家よりも買いたい投資家のほうが多かったので、買い方の勢いが強く、株価も上がりました。買い方の勢いが強い、つまり買いの注文のほうが売りの注文よりも多ければ、売りたい人は売値を上げて少しでも高く買ってくれる人に売ることができるので、株価は上がっていきます。
逆に売り方の勢いが強くて売りの注文のほうが買いの注文より多ければ、買いたい人は少しでも安く売ってくれる人から買うために注文の値段を下げて安く買おうとするため、株価は下がっていきます。
買い方・売り方の勢いで株価は変わる
買いが優勢(買いたい人のほうが多い)ときは売る側が有利になります。
- Aさん「100円で買います」
- Bさん「150円で買います」←Dさん「あなたに売ります」
- Cさん「120円で買います」
これで一番高く買う注文を出していたBさんが株を買うことができ、株価は150円に決まります。
売りが優勢(売りたい人のほうが多い)ときは買う側が有利になります。
- Aさん「100円で売ります」←Dさん「あなたから買います」
- Bさん「150円で売ります」
- Cさん「120円で売ります」
これで一番安く売る注文を出していたAさんが株を売ることができ、株価は100円に決まります。
そして、どちらも金額が合わない場合は売買が成立しません。
- Aさん「100円で買います」
- Bさん「120円で売ります」
この場合、「100円で売ります」という人が出てくればAさんは100円で買うことができ、株価は100円で決まります。「120円で買います」という人が出てくればBさんは120円で売ることができ、株価は120円で決まります。
売る側は少しでも高く売りたいし、買う側は少しでも安く買いたいので、その時に提示され買い注文や売り注文の状況で売買が行われて株価が決まります。
このように、売買が成立するたびに株価は動き、実際は何百万人といる投資家達がたくさんの注文を出しているので、株価はその都度上下して変化していきます。商いの多い(売買が盛んな)株は常に株価が動いているんです。
この注文の状況、つまり「○円で買いたい」「○円で売りたい」という注文が値段ごとにどのくらいあるかは「板(気配値)」と言って、ネット証券の口座を持っていればリアルタイムで見ることができます。
このように、株価は私たち投資家が買いや売りの注文を出すことによって決まるので、決算の数字が良かったり、良いニュースがでたりすると、その会社の株を買う人が増えて買い方の勢いが優勢になるので株価が上がるんです。
- 買いが優勢(買いたい人が多い)・・・株価は上がる
- 売りが優勢(売りたい人が多い)・・・株価は下がる
株価が動く原因になる「人の心理」を理解しよう
ここで、株価が動く原因となる人の心理の話を知っておきましょう。
まず、企業の株価には計算で出せる今の合理的な理論値の株価があります。
ここまでは「事実」で、ここに「今後の予想」などの不確定なものが入ってきます。今後の事業展開や経済的な状況などから上がるか下がるかを予想します。
実際の株価は人の売買で決まるので、買う人が多ければ上がり、売る人が多ければ下がる。つまり、売買する人たちの予想や心理が株価に大きく影響しています。
- 理論値より株価が高ければ割高(事実)
だけど今後伸びそうだから買おう(予想・人の心理が入る) - 理論値より株価が安ければ割安(事実)
だけど業績悪そうだから売ろう(予想・人の心理が入る)
実際の株価には予想が入るので、人の心理の影響が大きく、合理的に動くわけではないんです。(ここに儲けのヒントがありそうな気がしますよね)
だから、本来なら上がってもおかしくないはずなのに、例えば何かの間違ったニュースなどでみんなが「下がる」と思ったら売られて下がることもあります。(その場合は誤解が解けたら元に戻りやすいです)
人によって知っている情報は違うし、どのくらいの期間で考えているか(短期か長期か)も違う、投資の知識や経験、世界情勢や地政学に関する知識、業種に関する知識、企業の内情、人間の心理に詳しいか、自由に売買できるかルールが決まっているかなど、いろいろな考えや心理が入り乱れます。
私たち個人投資家の心理や思考でいえば
- 「ここの優待がほしい」
- 「配当利回りが高い」
- 「ここの株主になりたい」
- 「雑誌に上がると書いてあった」
- 「値上がりランキングに出て来た」
- 「チャートで上げサインが出た」
などが多いパターンですね。しっかり分析する人からなんとなく買う人、短期的な利益が目的の人から長期投資の人まで、いろいろな人の心理が入り乱れます。
そこに、全体的なお金の流れも関わってきます。
お金の流れも理解しておこう
世界中のお金が「株式」に集まっているのか、他の投資、例えば不動産や先物などや、国債などの安全資産に流れたり、キャッシュとして手元に置いておかれているのか。
ようは人の考え方によってお金の流れも変わってきます
- 株は調子悪そうだから今は株はやめておこう(株式市場から資金が逃げる)
- 株が調子良さそうだから買ってみよう(株式市場に資金が入ってくる)
- 株で損したからもうやめよう(株式市場から資金が逃げる)
- 株で儲かったからもっと資金を増やそう(株式市場に資金が入ってくる)
- 不動産が株よりも上がりそうだから株を売って不動産を買おう(株式市場から資金が逃げる)
- 不動産が下がりそうだからマンション売って株に投資しよう(株式市場に資金が入ってくる)
億・兆という単位の莫大なお金を動かしている機関投資家や資産家もいれば、小さいお金だけど何万人もいる個人投資家まで、いろんな人のお金が動いています。
理論値・状況・人の心理・お金の流れ、これらによって株価は常に上下しますし、それぞれが影響し合っています。そしてその状況は短期的?長期的?どのくらいのスパンなのかという時間の問題もあります。
そう考えるとそもそも完璧な予想をするのって難しいですよね。
株価が上下する仕組みや人の心理・お金の流れについてはわかりましたか?それでは、次は「株はどこで売買されているのか?」という仕組みについて解説します。
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