店舗型の証券会社(大手証券会社など)
次に、証券会社の選び方のなかでも、大手や準大手などの店舗を持った証券会社を見ていきましょう。
野村證券や大和証券、SMBC日興証券などの大手の証券会社をはじめとする店舗型の証券会社は、ネット証券のようなネットでの取引専門でなく、店舗をもっていて窓口で対面で対応してくれたり担当者がついてアドバイスなどをくれたりする証券会社です。
店舗型の証券会社はネット証券と違って口座維持費など口座を持っているだけで費用がかかる場合があり、株の売買手数料を比較するとネット証券と比べてかなり高くなります。
その分担当者に色々質問をしたりアドバイスを求めることができるので、お金のあるかたは初心者のうちは店舗型の証券会社を選択肢に入れるのもいいかもしれませんね。
このページでは店舗型の証券会社のメリット・デメリットや活用方法、どんな証券会社があるのかなどを解説していきます。
■このページの内容
店舗型の証券会社のメリット
店舗型の証券会社のメリットで特に大きなものは「担当者がついてくれる」と「IPO」と「安心感」の3つがあります。
1.担当者がついてくれる
店舗型の証券会社のメリットは、ずばり担当者がついてくれることです。
株の初心者のうちはいろいろとわからないことがたくさんあります。そういうとき、色々と教えてくれる担当者やサポートなどがありますので、売買手数料が高かったり、口座管理料がかかるケースがあっても、色々教えてもらえたりアドバイスをもらう「サービス料」と思えば全然安いと思う人もいるかもしれませんね。
会社でいうと、会計士さんを雇うような感じでしょうか。(あくまでイメージです)
ただし、アドバイスに従って勧められた株や投資信託を買ったからといって上がるとは限りません。彼らはトレードのプロではなく、「専門知識をもった販売員」だということは頭に入れておきましょう。
2.IPOをまわしてもらえる
店舗型の証券会社のメリットの2つめとして、特に大手の証券会社などでIPOをまわしてもらえるというメリットがあります。
IPOは新規上場する株のことで、IPOで買って初値で売るだけで2倍以上になることも多いため、基本的になかなか当たらない抽選になるのですが、IPOは抽選に外れても1円も損をしないため、ひたすらIPOの抽選に参加しまくる人もいるくらい人気です。
そんな中、大手の証券会社などは「裁量配分」といって、担当者がお得意様にIPOを優先的にまわしてくれます。
抽選ではなく担当者が持ち分をまわしてくれるんです。しかも、大手は裁量配分が9割、抽選は1割程度と、ほとんどが裁量配分で配られます。
ただし、「お得意様」になれるくらいの資金や取引実績があればのメリットですが・・・
3.安心感
1の担当者がついてくれるのとほぼ同じではありますが、誰かに聞ける安心感というのは大きいですよね。ネット証券も電話サポートはありますし、マネックス証券などはかなり電話でのサポートも丁寧だしわかりやすく答えてくれますが、決まった自分の担当者はいません。
また近くに支店があって対面で直接人に聞けることに安心する人もいると思います。野村證券などの最大手というブランドに安心するという人もいるでしょう。そんな方には店舗型の証券会社はおすすめです。
店舗型の証券会社のデメリット
店舗型の証券会社のデメリットで特に大きなものは「手数料の高さ」と「勧められて損する可能性」と「営業電話」の3つがあります。
1.手数料の高さ
まず手数料の高さです。株の売買手数料を比較すると、ネット証券と店舗型の大手証券会社では手数料がかなり違います。
その差は倍どころではないですね。取引金額によっては手数料が安いネット証券の10倍以上になることも。
オンライントレードサービスを使えば対面での売買やコールセンターより安くなりますが、それでもネット証券と比べると手数料はかなり割高になります。
参考:株の売買手数料を比較
ただ、SMBC日興証券に関しては、大手ながらダイレクトコースでのオンライントレードの手数料はネット証券並みに安いので、大手がいいけど手数料が高すぎるのも嫌という人におすすめです。
2.勧められて損する可能性
デメリットの2つめとして、勧められた銘柄で損することがあります。
これは、たまたまタイミングが悪かった場合と、悪質な販売員の場合とありますが、アドバイスで勧められたものでも場合によっては大損することもあります。
証券マンのアドバイスに従って勧められた株や投資信託を買ったからといって上がるとは限りません。先ほどメリットのところでも書きましたが、彼らはトレードのプロではなく、「専門知識をもった販売員」ですからね。
中には大手証券会社の担当者に言われたとおり買って大損したという体験談(外部サイト)もあります。
投資はあくまで自己責任、最終判断は自分でするものとは言っても、相手のほうが詳しいので、どうしても勧められた銘柄で損すると、騙された気分になってしまいますよね。
3.証券マンの営業電話
デメリットの3つめは営業電話です。
担当の人から営業電話がかかってきて取引を勧められたりします。この営業電話が嫌でネット証券に乗り換える人も多いようです。
お願いされると断りにくい人は特に注意です。
これは担当者によると思いますが、むこうも手数料で稼ぐ商売なのでいろいろと勧めてきます。断るのにもエネルギーがいるので疲れる人もいるかもしれませんね。
また、店舗型の証券会社の場合、資金の少ない人は相手にされないことも。「10万円くらいの少額の資金で始めたい」なんて人はネット証券をおすすめします。
他には、ネット証券と大手証券会社の違いなども参考にして下さい。
オンラインコースなら手数料は安い?
大手証券会社などでも、担当者のつく口座と担当者のつかないオンライン口座があります。
大手証券会社でもオンライン口座でスマホやネットで取引すればネット証券と同じくらい安いんじゃないの?と思う人もいるかもしれません。
参考までに手数料比較表を掲載しておきます。(ネット証券と比較しやすいようにマネックス証券の手数料も掲載しています)。
■大手証券会社オンライントレード口座の手数料比較
←表は左右に動かせます← | 10万円 | 20万円 | 50万円 | 100万円 | 300万円 |
---|---|---|---|---|---|
SMBC日興証券 ダイレクトコース |
137円 | 198円 | 440円 | 880円 | 2200円 |
野村證券 オンライン専用支店 |
152円 | 330円 | 524円 | 1048円 | 3143円 |
大和証券 ダイレクトコース |
1100円 | 1100円 | 1897円 | 3795円 | 9603円 |
みずほ証券 ダイレクトコース |
1045円 | 1045円 | 1732円 | 3465円 | 8745円 |
三菱UFJモルガン・ スタンレー証券 ダイレクト取引コース |
1650円 | 1650円 | 2145円 | 3663円 | 8877円 |
マネックス証券 | 99円 | 115円 | 275円 | 535円 | 1013円 |
※手数料率からの計算なので1円単位の誤差が出る可能性があります
※赤い字はその取引価格での最安値
※オンライン取引の場合の手数料です
大手証券会社のオンライントレード用の口座では、SMBC日興証券のダイレクトコースはネット証券並の安さですが、それでもマネックス証券のほうが安いですね。
手数料を比べてみると、大手5社の中では野村證券とSMBC日興証券以外はオンライン口座を作るメリットがあまり感じられませんね。
オンライン口座で取引するなら担当者はつかないのでネット証券とほぼ同じです。
手数料はネット証券のほうが安いので「〇〇証券がいい」といったこだわりがなければマネックス証券などのネット証券、大手証券がいいならSMBC日興証券のダイレクトコースがいいと思います。
店舗型証券会社は担当の証券マンとの相性が大事
お金を払ってもいいからいろいろ聞けて相談できる担当がついてくれたほうがいいという人は大手証券会社の支店などの窓口で口座を作ってみたほうがいいと思います。
その場合は証券会社の担当の営業マンとの相性が大事になってきます。色々親切に教えてくれる営業の方ならいいですが、相手も人間なので感じの良い人もいれば悪い人もいます。
店舗型の窓口での口座開設の場合は口座開設費や口座維持費などお金がかかる場合があるので、口座を開設する前に担当者はしっかり選ぶようにしましょう。わざわざ店舗まで出向いてせっかく口座を作ったのに担当があまり感じのよくない人だと嫌ですよね。
証券営業マンのアドバイスは参考にならないことも
証券会社の営業マンは実際に雇っているわけではなく、こちらの売買する手数料で給料をもらっているので、色々きいてばかりで売買を全くしないのは心理的に気まずいもの。
中には手数料を稼ぐために頻繁に売買をすすめてくる営業マンもいるそうなので、そういう人が担当についてしまった場合は担当を替えてもらうようにしましょう。
実際に自分でも売買をして利益を出しているような証券マンなら、いいお客さんにはいい情報をくれたりもするもの。そういう担当を見つけられたらラッキーですね。
有名な証券会社(大手・準大手など)
店舗型の証券会社は5大証券会社と言われる大手証券会社の野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などがあります。特に野村證券・大和証券・SMBC日興証券は3大証券とも言われます。
- 野村證券
- 大和証券
- SMBC日興証券
- みずほ証券
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
他にもたくさんの証券会社がありますが、当サイトでは特に有名な以下の4つの証券会社について個別に解説もしています。
準大手証券会社
大手に次ぐ準大手の証券会社として以下の3つの証券会社が挙げられます。
- 岡三証券
- 東海東京証券
- SMBCフレンド証券(2018年1月にSMBC日興証券と合併)
全国に支店がありますが、岡三証券は三重県、東海東京証券は東海地方がメインの基盤となります。SMBCフレンド証券は2018年に同じ三井住友フィナンシャルグループの大手証券会社であるSMBC日興証券に合併されました。(参考:合併のお知らせ)
岡三証券はグループ会社のネット証券である岡三オンラインがネット証券大手7社に数えられるなど、オンラインでの強みもあります。
中堅証券会社
大手・準大手に次ぐ中堅の証券会社として中堅7社と呼ばれる以下の証券会社があります。
- 藍澤證券
- いちよし証券
- 岩井コスモ証券(岩井コスモホールディングス)
- 極東証券
- 東洋証券
- 丸三証券
- 水戸証券
全国に多くの支店がある大手・準大手と異なり地域的な偏りがあるので、口座開設の際は近くに支店があるかどうかなどは検討する必要があります。
次は、店舗を持たないネット証券の解説をしていきます。ネット証券は店舗を持たない分余計なコストがかからず、対面で対応する営業が居ない分人件費も安く済むため、取引に関するコストは圧倒的に安いです。
このページで挙げた店舗型の証券会社のデメリットは全てなくなっています。手数料は安く、営業がいないから断る手間がない、ネットでの取引なので資金が少なくても気まずさも何もないです。
しかも、ネット証券は「株のトレーダー」と言われて想像するような株の取引ツールなどがネット証券の口座を持っているだけで無料で使えるのでとてもワクワクしますよ。
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