投資用のマンションやアパートなど不動産を買う前に〜個人の不動産投資が儲からない理由〜
投資用マンションやアパートなど、自分で住むのではなく賃貸での家賃収入や不動産の値上がり期待などで収益を上げるための「投資用不動産」を買う前に知っておきたいこと。
個人の不動産投資が儲からない理由
マンション経営やアパート経営など、個人でもできるという不動産投資に関する書籍や情報がたくさん出ていますが、実は不動産投資は個人では儲からないそうです。
以前、FP(ファイナンシャルプランナー)の方に話を聞いたとき「不動産投資は個人では良い物件は買えない」という話をしていました。
当時は話を聞いたテーマが違い、他の分野の話を聞きたくて相談したので深く突っ込んで聞くことはしませんでした。
しかし先日たまたま飲み会の席で、不動産販売の会社の社長さんがいて、住んでる地域も違い自分はお客さんにはなりえないと思ったので、ちょっとその話をふってみました。
すると彼の答えは「そうです。利益の出せるような不動産は個人では買うことは出来ません」と言っていました。
個人で優良不動産が買えない理由
よくよく考えれば当たり前のことなのですが、彼らのような不動産のプロが日本中のあらゆる地域に居て常に物件情報に目を光らせているんです。
情報量も少ない個人が彼らより先に優良物件を見つけるというのは確率的にはかなり少ないでしょう。
でも彼は個人に不動産の販売をしています。それは何故かと聞くと、利回りで利益を出すのではなく、税金の高い(所得が多く所得税が高い)人をターゲットに、節税対策として不動産を販売しているそうです。
つまり、不動産の収益でプラスの収入を得るのではなく、不動産を買ったり管理する経費を計上して税金(所得税)を節約することで手元に残る資産を増やすということらしいです。
そうすると個人で不動産投資というのは無理なのではないかと思うかもしれませんが、そんな事はないようです。
REIT(リート)という、証券化した不動産に投資をすることができます。REITについてわかりやすく説明していきます。
個人が不動産に投資をするならREIT(リート)
REITは不動産を買うお金を投資家から集め、そのお金で買った不動産の収益を分配するという仕組みで、不動産を一つ丸ごと買うより小さな資金で不動産に投資ができ、買った不動産のリフォームや管理、家賃の回収等そういったことも必要ありません。
株式投資をイメージするとわかりやすいと思いますが、自分で会社を運営しなくても、その会社に投資をし、配当金や値上がりの利益を得られるのが株式投資。REITは株式投資の不動産バージョンといった感じですね。
- 会社を自分で作らなくてもビジネスに投資できるのが株式
- 不動産を一棟買わなくても少額で投資できるのがREIT
というイメージです。すぐに買える、すぐに売れるというように、売買がすぐできるのは大きなメリットですね。自分で不動産を買ったらなかなか売ることができませんからね。
REITなら簡単に始められる
REITは難しそうなイメージがあるかもしれませんが、ネット証券から株のように簡単に取引をすることが出来ます。
不動産を買えるほどの大きな資金が必要ないとなれば、つまりそれだけ大きな金額のリスクを取る必要がないとなれば、しかも売りたいときにすぐ売れるとなれば、「資金を貯めていつか不動産投資をしよう」と思っていた方も今すぐ不動産投資を始められるかもしれませんね。
REITはネット証券に口座を作れば株と同じように簡単に売買することができます。
- 参考1:REITの買い方
- 参考2:ネット証券の口座開設方法
直接戦うには強力なライバルが多すぎる不動産市場
よく考えればこのREIT を運用する人たちも収益率の良さそうな不動産の物件を常に探しているはずです。
たくさんの投資家から資金を集めているため小さな不動産会社よりも資金も豊富で、資金力を使って優秀な目利きができる人を雇っているはずだし、情報も早いでしょう。 収益を上げなければ投資家が離れてしまうので特に腕の良いプロを雇い、しかも豊富な資金に物を言わせ、情報を入手しているはずです。
そんなREITを運営している法人は一つではなく複数あります。
そうなると、個人で見つけることができるのは彼らが見逃した物件や、彼らよりも先に小さな不動産会社が見つけて購入した物件になります。さらには小さな不動産会社も収益が上がるのがわかっているなら、頑張ってわざわざ営業をかけて個人に売るよりもREITを運営する法人に売っててしまった方が簡単です。
REIT法人なら相手も不動産をわかっているので、数字を提示してあげれば収益が上がるような不動産物件ならすぐに買ってくれるでしょう。わざわざ営業をする必要すらありません。
そういった理由から、個人で見つけられるような物件は、そういった彼らの「買わなかった物件」しか残っていない、ということになりますね。
となれば、わざわざたくさんの資金を用意して、物件を必死に探して、借り手や買い手を探して、管理などの手間をかけて、売れないとか、空室というリスクを冒して高いお金を投入するより、小さな資金で手軽に始めるREITを買った方が全然効率的ではないでしょうか。