退職金を株式投資で運用して資産構築はしないほうがいい?

定年退職などで退職金をもらうと大きな金額が一気に手に入ります。しかしその反面、退職してしまったので今までもらっていた給料という収入源がなくなることになります。

そこで、少しでも収入の足しにしようと退職金での資産運用を考える方は多いでしょう。退職金の資産運用方法の一つとして、株の取引を検討している方も多いと思います。

しかし、退職金を株で運用する場合、大きなリスクもあることをしっかりと考慮した上で検討するようにしてください。

退職金を株で運用するリスク

退職金は多くの場合今後の人生を楽しく生きていくための資金となります。今は年金だけで生活するのはなかなか難しいので、退職金をうまく活用して資産運用で少しでもプラスアルファの収入が欲しいと思います。

銀行に預けてもほとんどお金は殖えず、タバコ、ガソリン、ジュースなど数年前と比べると物価も上昇している現在、退職金の資産運用方法として株を取り入れるのは非常に良いことだと思います。

しかし、退職金の資産運用として株が危険な理由が一つあります。それは、株の初心者が大きなお金を動かすのが危険だからです。特に今後の生活に必要なお金となればなおさらです。

勝ちが負けを呼ぶ初心者の心理的リスク

退職金のような大きなお金を運用して株で儲かった場合、今まで給料としてもらっていた額の何倍もの金額を短期間の間に得ることもあります。もしそうなった時、初心者のうちは「もっと大きな資金でもっと大きく増やそう」と思ってしまうものです。

また、株を始めて間もない頃は買った銘柄が値上がりすると「もっと値上がる」と思ってしまうものです。そこでもしそれ以上資金が増えないと、今まで大きなプラスの金額を夢見ていたため、「資金は増えているのに損した気分」になってしまいがちです。

そうすると、儲かっていても満足できず、資金が増えれば増えるほど夢見る金額はさらに大きくなり、運用する資金も大きくなっていきます。

大きな資金で運用すれば下がった時の金額も大きくなるもの

大きな資金で株を運用をした場合、下がってしまったときは受けるダメージも大きくなります。株で大きなダメージを受けた時、初心者は一気にとり返そうとしてしまいます。一気に取り返すためには大きな資金を使うか値動きの激しい銘柄を買うか、どちらにしろ大きなリスクをとらなければいけません。

大きなリスクをとって株を買う時、その資金が今後必要な資金だったら?

初心者のうちは、頭ではわかっていても実際に大きなプラスやマイナスがあるとその時点では大事なことが頭から抜けてしまい、危険な行動をしてしまうものです。あとになって「何であそこであんなことしたんだろう・・・」となってもあとの祭りです。経験して初めて実感するという感じでしょうか。

資産運用は余裕資金で、小さく始める

余裕資金や小さな資金で運用しているうちはいいですが、退職金などの大きな資金を運用しようとした場合、あなたは非常に大きなリスクをとることができてしまいます。ある程度経験を積めば過去の経験から自制できるようになりますが、初心者のうちは堅実にいこうと決めていても、株による「大きな勝ち」や「大きな負け」は心を乱します。

株は上級者でも「必ず勝てる」ものではありません。勝ちもあれば負けもあります。初心者と上級者の違いは、勝ったときや負けたときの対応のしかたで、上級者は「トータルで勝つ」ための動きをします。これは経験がないと難しいものです。

余裕資金で運用していれば、負けを経験しても「経験」として活かし、「トータルで勝つ」ために次に活かすことができます。しかし、大事な資金で大きく運用してしまうと負けた際に心の余裕を保つことができません。資金が減ってしまえば株から撤退せざるをえなくなることもあります。

大きな資金を得る前に始める

以上の理由から、退職金の資産運用の一つに株を考えているかたは、退職金という大事な大きな資金を得る前に、株をある程度経験しておくほうが良いと思います。

もしもう既に退職金を手にしていて株を考えている方は、初心者のうちから大きな投資はせず、余裕のある資金での運用をおすすめします。

初心者でも株で勝てないことはありません。短期間に莫大な利益を得る場合もあります。それでも、安定した利益をあげられるようになるにはある程度の経験が必要です。

大切な今後のための資産、ギャンブルではなく大切に運用して下さい。

退職金のお金を株式の資産運用に使うなら

退職金で株式の運用をするのなら、まずは退職金を4つの種類に分けて考えましょう

今後何十年と使う大事なお金です。ファイナンシャルプランナーなどと相談をして、今後の資金計画をだしたうえで、余裕資金で株式投資をするのがベストです。

しかし、そうはいっても今は誰しもが退職金をもらえば余裕資金があるというわけではありません。しかし、何らかの形で資産運用をしないと足りないというケースも多いです。

そこで、余裕資金以外で株式投資を行う際は、ぜったいに潰れないだろうと思えて、長期的に見て株価が下がらないだろうと思える企業を見つけて資産の運用をするというくらい、リスクを抑えて行うことが重要です(といっても東京電力やシャープがご覧のような状態になっているのですから、よほど自らの眼力を磨かなければならないのはいうまでもありませんが)。

そして何よりも最初から大金を運用する必要はありません

初心者の方はまずは少額でコツコツ投資して、小さなことから株式投資を始めてみるのが良いのではないでしょうか。

資産運用として「運用」する株

今では銀行にお金を預けても利息ではほとんど増えません。それに比べ、株で資産を運用するなら、配当金で年利3%を越える銘柄も何社もあり、さらに株主優待などを受けられれば家族にも喜ばれます。

60歳で引退した場合、年金をもらえる65歳までは収入はありません。その間も住宅ローンや生活費はかかるので、退職金を減らしてしまうことになります。その間に少しでも収入があればその後の生活も大分楽になるはずです。

退職金などの大きな資金をもらってから株を始めると、失敗したときのリスクは大きくなります。

しかし、今はネット証券を使い、おこずかい程度の資金でも株の取引ができるので、引退前に初心者として小さな資金で株の経験を積み、引退後にはベテラン投資家として資産を着実に増やしていけるように、計画的な人生設計を心がけ、資産運用策の一つとして、株の投資を考えてみてはいかがでしょうか。

株を検討しているなら、初心者のうちは大事な資金を大きく運用する前に「株を覚える」という意味でまずは小さな資金で実際に運用してみて下さい。

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