持株会の株を売るときに高い手数料で損しない売り方

証券会社

従業員持株会を辞めたり会社を退職するなどで持株会の株を売って現金化したい時って「野村證券で」「大和証券で」「みずほ証券で」などと証券会社の指定があって、たいていはネット証券ではなく大手証券会社なので売るときの手数料も高いんですよね。

手数料の安いネット証券を選んで受け取れたらいいのですが、そうもいかない。

どのくらいの金額の株を持っているかによりますが、「ネット証券だったら手数料〇円で済むのに」とネット証券の安い手数料と比べると損した気分になりますね。

それでも、証券会社を大手で指定されても、やり方次第で売る時の手数料は大きく変わるし、売る証券会社をネット証券に変えて売却の手数料をかなり安くしたり、場合によっては手数料無料で売れるやり方もあります。

このページでは持株会の株を売るときに高い手数料で損しない方法をお伝えします。

口座を作る時に手数料が決まる

まず、指定された証券会社でそのまま売る場合ですが、持ち株会の株を引き出すための「口座を作るとき」に、大きな差がつきます。

大手証券は、対面営業の店舗口座と、オンライントレード専門の口座の2種類があり、店舗の口座とオンライントレードの口座では手数料が違います。

同じ証券会社で同じネット取引で売るのでも、作った口座が店舗の口座なのかオンライン専用口座なのかで手数料がかなり違うんです。

オンライン専用口座のほうがかなり安い

まだ口座を作っていないなら、オンライン専用の口座を作ると手数料がかなり安くなります。

各社の「オンライン専用の口座の名称」は以下のとおりです。

手数料を抑えたい場合はこちらを選んで口座を作りましょう。

反対に手数料が高くてもいいから対面で相談したいという場合は、店舗の口座を作りましょう。

各社の「店舗の口座」の名称は以下のとおりです。

持株会の指定がSMBC日興証券の場合はラッキー

持株会の指定がSMBC日興証券の場合はある意味ラッキーで、SMBC日興証券のダイレクトコースは、手数料がネット証券とそこまで大きく変わらないくらい安いです。

SMBC日興証券(ダイレクトコース)

SBIネオトレード証券のように無料で売ることはできませんが、移管の手間と節約できる手数料の差を考えると、SMBC日興証券の場合はよほど大きな金額になっていない限り、ダイレクトコースで口座を作ってそのまま売っていいと思います。

持株会の指定が野村證券なら許容範囲?

持株会の指定が野村證券だった場合は、野村證券のオンライン専用支店「野村ネット&コール」も、SMBC日興証券ほどではないけどそれなりに安いです。

持っている株の金額と、野村ネット&コールとネット証券で売ったときの手数料の差を考えて、野村ネット&コールで売るか考えるといいと思います。

野村證券(野村ネット&コール)

ちなみに、すでに店舗で口座を作ってしまった人は、同じ証券会社に2つの口座を持つことができないので、取引店(コース)を変える手続きが必要になります。

その手間をかけるなら、後述するSBIネオトレード証券に移管して手数料無料で売る(金額が大きい場合は880円で売る)ほうが良いと思います。

大和証券・みずほ証券・三菱UFJMS証券はオンラインで専用口座でも高い

大和証券やみずほ証券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、オンライン専用のコースでもネット証券と比べるとかなり高いです。(店舗よりはマシと言うレベルです)

そのため、持株会の株を売る時の手数料がいくらかかるか(いくら分の株を売るのか)によりますが、手間をかけてもネット証券の口座を作って移管して売るほうがよいケースは多いです。

参考:証券会社の手数料比較表

ネット証券に移管してから売れば安い手数料で売れる

持株会の指定が手数料の高い大手証券だったとしても、その株をネット証券に移管してから売れば、ネット証券の安い手数料で売ることができます。

参考:証券会社の手数料比較表

いくら分の株を売るのかによりますが、計算するとかなり差が出ます。


先程の比較表のページを見てわかるように、手数料で考えるならSBIネオトレード証券が安いです。

SBIネオトレード証券はネット証券の大手のSBI証券のグループのネット証券で、手数料はSBI証券よりも安いです。

定額プランを選べば1日の売買の金額の合計が100万円以下なら手数料無料で売ったり買ったりできます。

また、300万円を超える場合、何千万円という大きな金額の場合でも、一律プランを選べば最大手数料は一律で880円(税込)です。

大手証券では手数料が何万円もかかるような大きな取引でも、SBIネオトレード証券なら1回の売買あたり880円で済ませることができます。

ただ、株を移管するのには手数料がかかります

これは、例えば「野村證券からSBIネオトレード証券に株を移管する」という場合に、野村證券で手数料がかかります。

野村証券の場合は最低1100円(税込)の移管手数料がかかります。
(基本料金550円+1単元(100株)たり550円ずつプラス)

100株なら1100円、200株なら1650円、1000株なら5650円かかるということですね。

移管の手数料もゼロにできる

この移管手数料は、移管先がSBIネオトレード証券の場合は、100万円以上の移管なら、移管先で支払った手数料をキャッシュバックしてくれます。(参考:移管手数料が無料の証券会社

野村證券や大和証券に移管手数料を払ったとしても、その移管手数料分をSBIネオトレード証券が払ってくれるということですね。

100万円以下の移管の場合は、松井証券(金額指定なし)、SMBC日興証券(10万円以上の移管)で移管手数料をキャッシュバックしてもらえます。

100万円以下の金額で移管したい場合は松井証券がオススメです。松井証券は1日50万円以下の取引の場合は手数料が無料なので、移管と売却含めて手数料ゼロで持株会の株を売ることができます。

※SMBC日興証券は現物株を売るときの手数料が無料になるプランが無いので、持株会の株の移管先としてはあまりおすすめしません。従業員持株会の指定がSMBC日興証券だったら作るでいいと思います。

手数料完全にゼロで持株会の株を売れる条件

ここまでの話を総合すると、持株会の指定がどこの証券会社だったとしても、以下の条件で手数料完全にゼロで持株会の株を売ることができます。

100万円以上の場合

SBIネオトレード証券への移管が実質無料でできます

100万円未満の場合

松井証券への移管が実質無料でできます

手数料だけでなく売るタイミングも考える

いずれの場合も、株価の動きがあります。

移管の手続き中は株を売れないし、移管手数料がキャッシュバックされる前に売ってしまうとキャッシュバックされないので注意が必要です。

「100万円以上あるから日を分けて株を売る」という場合なら、その間も株価の動きがあります。

そのため、手数料は無料だけどその間の値動きで損する可能性はある(逆に値上がりして得する可能性もある)ことは頭に入れて判断しましょう。

すぐに売らないなら移管しておく

すぐに売りたいわけではないなら、売るときに備えてネット証券に移管しておくことをおすすめします。

そうすれば売りたいタイミングが来た時にはキャッシュバックも終わっていて、あとは安い手数料で売るだけになりますからね。

ネット証券の口座は無料でスマホから簡単に作れるので、まずはネット証券の口座を申し込みしましょう。

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