IPO(新規上場)の流れ

まずは、IPOの流れをおさえましょう。IPOはブックビルディング(抽選の申込み)〜当選〜購入の申込み〜上場という流れで進むため、上場日の少し前にブックビルディングに参加することで公募価格での購入ができます。上場日に申し込めばいいわけではないので注意して下さい。

「流れはいいから申し込みのしかたや当選するための技が知りたい」というかたは次のページ(IPOの申込方法)へどうぞ。

上場承認

証券取引所に上場することが承認されます。ここから新規公開まで約1ヶ月かかります。上場が承認されると、その会社の新規公開株を取り扱う証券会社のホームページ上などで公開され、広く告知されます。

仮条件決定

機関投資家等の意見をもとに新規公開株の価格帯(「仮条件」)を設定します。仮条件は上場日の約半月前くらいに決定されます。提示された仮条件(通常は〇円〜〇円と、幅を持たせる)を元に、ブックビルディング(需要申告)に入ります。

需要申告(ブックビルディング期間)

提示された仮条件を元に、その価格帯で投資家がどれだけ買いたいかというニーズを調べ、価格を決定します。新規公開される株を買いたい投資家は、このブックビルディングに参加(仮条件の範囲内で、いくらで何株買いたいかを申告)し、ブックビルディングに参加した投資家の需要を元に公募・売出し価格が決定されます。

このブックビルディングに参加することで、IPOの抽選に参加することになります。

IPO初心者のかたは「上場日を待って買う」と思っている方もいるようですが、IPOの公募価格で買う場合は上場日では遅いです。上場日の少し前のブックビルディングに申し込むことでIPOの抽選に参加し、当選すれば公募価格で買うことができます。

基本的にはブックビルディングに申し込む時点で資金が必要なので、口座開設や資金の入金は早めに済ませておきましょう。

抽選 〜初めての人は「完全平等抽選」がおすすめ

各証券会社に割り当てられた新規公開株数よりも申込みのほうが多い場合は、抽選(抽選方法は証券会社によって異なる)によって割当てされます。

新規上場するIPOの銘柄はどこの証券会社でも買えるわけではなく、IPOの幹事を務める証券会社でだけIPOの抽選に参加することができます。

また、幹事の中でも特に主幹事の証券会社は、IPOの割り当ての数が多いため主幹事の証券会社を狙ってIPOを申し込み、抽選に参加するのは当選確率を上げるための”当たり前だけど手堅い手段”の一つです。

ただ、IPOは非常に人気が高いので、証券会社によってIPOは「お得意さま優先」という裁量配分が多いため、これから証券口座を作るかたや取引実績がないかたの場合は基本的に「完全平等抽選」の証券会社で申し込むとよいです。

完全平等抽選の証券会社とは、口座開設したばかりの人でもお得意様でも関係なく、みんな同じく平等な確率でIPOの抽選をしてくれる証券会社です。

完全平等抽選になるのはIPOのうちの10%程度のところが多いですが、100%完全平等抽選のマネックス証券や、10%だけど取扱数の多いSMBC日興証券や、口座数が少ない分ライバルが少なく、購入資金を準備しないまま抽選に参加できる岡三オンラインなどの口座を持っておくとよいです。

公募・売出し価格決定

ブックビルディングに参加した投資家が提示した購入希望価格と株数を元に、最終的な公募価格が決定されます。IPOではここで決定された公募価格で新規公開される株を購入することができます。各証券会社に割り当てられた新規公開株数よりも申込みのほうが多い場合は、抽選(抽選方法は証券会社によって異なる)によって割当てされます。

購入申込

IPOの抽選に当選した投資家は購入申込期限日までに購入の意志を決定します。

当選したら終わりではなく、当選後に購入の申込をする必要があるので忘れないように気をつけてください。補欠で当選の場合は、当選したけど申し込まなかった人がいれば公募価格で購入することができます。

決まった公募価格を見て「やっぱり買わない」もOKで、その場合は補欠の人に当選が繰り上げられます。

新規上場

新規上場日に初めて一般の投資家も売買ができるようになります。IPO抽選に参加しなかった投資家やIPO抽選に外れた投資家の買い注文と、IPO抽選に当選して初値で売ろうとしている投資家の売り注文のバランスで初値が決まります。人気の銘柄などは、買い注文が大幅に売り注文を上回り、初日には値段がつかない(ストップ高で買えないような状態)ことも多々あり、そのまま何日後かに初値がついた時には公募価格の何倍ということもあります。

それではいよいよIPOの申込み方法の説明に入ります。

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