株はどこで買えるの?株が売買されている証券取引所と証券会社について
「株はどこで買えるの?」という質問はよくいただきます。
どこでどうやって株が買えるのかは株の買い方のページでも解説していますが、私たち個人投資家が株を買うことができるのは証券会社というところです。
その証券会社は株の注文を取次ぐ窓口で、実際に株が売買されているのは証券取引所というところです。
投資家 → 証券会社 → 証券取引所
私たち個人投資家は証券取引所で直接取引ができないので、証券会社を通して売買を行います。参考:株の買い方
証券取引所は一部・二部などに分かれていて、株の取引のときや、株の仕組みを知るうえでも重要なので、ここでは株が売買されている証券取引所について解説していきます。
株の取引が行われている証券取引所と証券会社
昔は日本各地に証券取引所があり、多くのディーラーが集まって株式を売買していました。築地で魚が売買されているようなイメージです。
しかし、今はネット取引の時代になり、紙の株券も電子化されて、わざわざ各地の取引所に出向く必要はなくなりました。現在では、ほとんどの株式が東京証券取引所(東証)で売買されています。
ただ、世の中にあるすべての会社の株を買うことはできません。東京証券取引所(東証)に上場申請して、上場を認められた企業の株(上場企業の株)だけが、取引所を通して売買できるのです。
私たち個人投資家は、この東京証券取引所に上場されている株を、証券会社を通して取引することになります。
投資家 → 証券会社 → 証券取引所
(注文)→(取次) → (売買)
審査が違う4つの取引市場
東京証券取引所(東証)に上場されているからといって、すべての企業をひとくくりにはできません。
東京証券取引所も一部・二部・マザーズ・ジャスダックの4つに分かれていて、それぞれ上場の審査の基準が違います。
4つの市場
- 東証一部
- 東証二部
- マザーズ
- ジャスダック
まず、一番厳しい審査を通過した企業の株が取引されている東証一部と、一部よりは審査の甘い東証二部に分かれます。
また、一部や二部に上場する規模ではないけれど、これから成長する可能性があるベンチャー企業が集まるマザーズ(Mothers)やジャスダック(JASDAQ)という市場もあります。
それぞれの市場で審査基準は全く違います。マザーズは赤字の会社でも上場できるため、これらの会社と、難関をクリアした東証一部の企業を同列に考えることはできません。
株を買うときには、どの市場に上場しているのか必ず確認しましょう。上場しているから、すべての会社が安心というわけではありませんよ。
銘柄や状況にもよりますが、一般的に東証一部・東証二部・マザーズ・ジャスダックの順に株価の値動きがゆるくリスクも低いとされています。
東証一部 > 東証二部 > マザーズ > ジャスダック
リスク低 ← →リスク高
値動き緩い ← → 値動き激しい
※全体的な傾向です。銘柄や状況によって異なります
ただ、まずはマザーズに上場して、最終的に東証一部を目指すのが一般的な流れです。そのため、マザーズに上場しているからダメだというわけではありません。将来驚くような成長を遂げる可能性を秘めているという見方もできます。
なぜ企業は会社を上場させたいのか?
そもそも、なぜ企業は会社を上場させたいのでしょうか?その理由は、資金集めです。
会社は設備投資をしたり、商品を仕入れたり、従業員を雇ったりと、多くのお金が必要になります。
通常は銀行から借り入れをすることが多いですが、お金を借りれば金利が発生するし、際限なくお金を貸してくれるわけではありません。そのため、上場して自社の株を売ることにより、莫大な資金を集めようとします。
電子化された株を売るため、商品を製造するようなコストは必要ありません。また、株を売り出しているため、調達したお金を返す必要もありません。このように、上場には大きなメリットがあるのです。
上場企業の使命
さすがに返す必要のない莫大なお金を調達して、それで終わりというわけにはいきません。
上場した企業は、投資家に株を保有し続けてもらうために、企業の価値(株価)を上げる必要があります。これは株式を上場した企業の大事な仕事であり、使命とも言えます。
アメリカはこの意識がとても強く、株主が経営に関していろいろ口を出します。それに応えるように、経営者は一生懸命働きます。なぜ、そこまで頑張るのでしょうか?
株主が会社を見放して株を売り始めると、会社の価値が下がり、それを見て別の株主が売って…このように負のスパイラルが続くと株価は暴落します。
企業の価値が下がりすぎると会社ごと買収されてしまいます(全株式の50%以上を取得すれば実質的に支配下におけます)。
そのため、企業は株価を高く維持する必要があるのです。
株は売買で利益を出すだけのものではない
株は売買して利益を出すだけのものと考えられがちです。
しかし、なぜこの市場が機能しているのか?なぜ株券に価格がつくのか?なぜ企業は株価を上げる努力をしなければいけないのか?
これらを理解していないと、本質が見えなくなってしまいますよ。
さて、今回の話は私たち投資家に直接関係のあることではないので、少し退屈に感じた方もいるかもしれませんが、初心者の方も知っておいたほうがいい大事なことなので解説しておきました。
次はお待ちかね、私たち投資家が株で儲けるためのお話です。株で儲ける2つの方法について解説していきます。
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