テーマ投資〜会社ではなくテーマに投資する新しい投資方法の評価や比較
株取引が今までより簡単にできる「テーマ投資」というサービスが始まりました。
テーマ投資では企業の株を選んで買うのではなく、「VR(仮想現実)」や「ペットと暮らす」など、”テーマで選んで買う”という株の買い方ができるので、初心者でも選びやすく、株初心者に人気のサービスです。
「フォリオ(FOLIO)」という新しい証券会社が始めたのをきっかけに、ネット証券最大手のSBI証券も「テーマキラー」というサービスを開始。
フォリオはLINEと提携してLINEから簡単に口座開設や売買ができる「LINEスマート投資」というサービスも行っています。
テーマ投資はこれまでの株取引とどう違うのか?どんなサービスがあるのか?そのあたりを解説していきます。
■このページの内容
テーマ投資って何?どんなサービスなの?
テーマ投資では、今までのように個別の企業の株を買うのではなく、「テーマ」に投資をします。
株の買い方が今までと違い、「どこの会社の株を買おうか」と銘柄を選ぶという手間がなく、興味ある分野の株をまとめて買うことができるため、初心者でも今までより株取引を始めやすいのが特徴です。
興味あるテーマや伸びそうなテーマで選ぶので「楽しい」というのもありますね。
たとえばフォリオの公式サイトを見てみてください。楽しそうなテーマがたくさんありますよね。
テーマごとにそのテーマに関連した10社に分散して投資されていて、私たちはその「テーマ」に投資することで、10万円程度の少額から10社に分散投資ができます。
株の初心者がまず迷いやすいのが銘柄の選び方がわからないという部分。株を始めようと思ってネット証券で口座開設もしたけど、どの株を買えばいいかわからないから何も買っていないという状態がしばらく続くのは「株初心者のあるある」です。
株の銘柄は3000社以上あるし、「知ってる企業から選ぼう」と言われても「いきなり知ってる企業って言われても・・・」「知ってる会社はあるけどべつに好きな会社があるわけじゃないし」ということもあるでしょう。
しかし、それが「テーマ」ならどうでしょうか?
「人工知能(AI)」「VR(仮想現実)」「自動運転車」「アニメ」「再生医療」「リニア新幹線」「GNT企業」「高ROE企業」といったテーマならより選びやすいのではないでしょうか。
「フォリオ」のわかりやすいテーマ投資の解説動画もあるので見てみましょう。
テーマ投資の仕組みはどうなってるの?
個別銘柄ではなくテーマで選ぶということで、仕組みがどうなっているのかは気になりますね。
ですが、テーマ投資の仕組みは簡単です。
「単元未満株をパッケージ売りしている」ということですね。
テーマごとに関連する株の銘柄を選び、単元未満株(少ない株数で株が買える仕組み)を使って10万円前後になるように構成されたパッケージを販売しているという感じです。
仕組みがわからないと「面白そうだけどよくわからないし大丈夫?」と心配に思う方もいるかもしれませんが、仕組みがわかると「便利なサービスだなぁ」と思えてきますね。
また、「テーマに投資する」というと投資信託を思い浮かべる方も多いかもしれません。
投資信託は購入時手数料のほかに運用管理費などがかかりますが、テーマ投資は運用に関する手数料はかかりません。
運用してもらうわけではなく、単元未満株でまとめて買うだけなので、買った後の運用に関する手数料は必要ありません。
今までの株取引とテーマ投資の違い
テーマ投資と今までの株取引の大きな違いを挙げておきます。
- 個別の会社の株を購入することはできない
- 購入するのは「テーマ」
- 手数料は少し高めだけどコスパは良い
- 配当金はもらえるけど株主優待はもらえない
順番に解説していきます。
個別の会社の株を購入することはできない
まず、テーマ投資では個別の会社の株を購入することはできません。
「ソフトバンクの株を買いたい」といったような、特定の会社の株を買いたい場合はテーマ投資ではなく、普通に株を買う、または単元未満株を買うことになります。
購入するのは「テーマ」
テーマ投資では個別の銘柄ではなく「テーマ」を買うことになります。「人工知能(AI)」「VR(仮想現実)」など、テーマに関連する会社の株を単元未満株でパッケージごとに買ったり売ったりします(このあたりの仕組みについてはテーマ投資の仕組みの項で解説しましたね)
手数料は少し高めだけどコスパは良い
次に、手数料は高めというのは、1社ごとの株を買うのと比べると高くなります。これは単元未満株の手数料が高いからですね。
単元未満株は通常は100株単位で買う株を1株ずつ買えるサービスです。本来100株ずつで買うものを1株単位で買えるので、普通に買うよりは手数料は少し割高になります。
ただ、手数料を抑えるために普通に買う場合は「テーマに関連した銘柄を選び、それを100株ずつ10社分購入する」となるとかなりの資金が必要です。
自分で単元未満株で買うなら、単元未満株の手数料が安いネット証券で買ってもテーマ投資専用のフォリオで買っても手数料はほとんど変わりません。(参考:単元未満株の手数料比較)
ただ、10社分購入していくという手間を考えると、まとめて購入できるフォリオやテーマキラーはコスパがいいです。
購入金額の単純比較では高く感じるけど、テーマ選定とテーマの関連銘柄選び、そして10社分の購入の手間を短縮して分散投資できるという意味では、非常にコスパが良い、という感じですね。
配当金はもらえるけど株主優待はもらえない
また、テーマ投資では配当金はもらえますが、株主優待は基本的にはもらうことはできません。
次の項目で株主優待と配当金について詳しく解説します。
配当金や株主優待はもらえるの?
テーマ投資は単元未満株を買うことになる(※)ので、配当金は保有している株数に応じてもらうことができますが、株主優待は基本的にはもらえません。※このページ内のテーマ投資の仕組みの項目を参照
テーマ投資では配当金はもらえる、株主優待はもらえないと思っておくとよいでしょう。
配当金というのは「1株ごとにいくら」と決まっているため、単元未満株でももらうことができます。
しかし、株主優待に関しては、基本的に「100株以上保有の株主」など、株主優待を受けるために必要な株数が決まっていることがほとんどです。(参考:株主優待のもらい方)
そのためテーマ投資でも株主優待がもらえる所有株数に達すればもらうことができます。
ただ、基本的に株主優待は100株以上というところが多く、テーマ投資は1つのテーマで1銘柄の株数は1株や2株ということが多いので、かなりたくさん買わないと株主優待の必要株数には届かないです。
また、数は少ないですが全株主が対象(1株しかもっていない株主も対象)という優待の場合はもらえることもあります。
ただ、基本的には「株主優待はもらえない」と思っていたほうがいいでしょう。
株主優待が欲しくて株を買うという場合はテーマ投資ではなく、個別の銘柄を買うことをおすすめします。
テーマ投資のメリット・デメリット
テーマ投資のメリット
株を個別銘柄ではなくテーマで選ぶメリットとしては、以下のようなものがあります。
- 初心者でも買うテーマが選びやすい
- 銘柄探しの手間が不要
- 少額で分散投資ができる
- まとめて買えるので買う手間が楽
順番に見ていきます。
初心者でも買うテーマが選びやすい
株を始めたばかりの初心者の悩みで多いのが「どの銘柄を買ったらいいかわからない」ですが、テーマにすることで選びやすくなります。
特にテーマ投資のテーマは面白そうなテーマが多く、テーマの一覧やテーマごとの構成銘柄を見るだけで投資の参考になります。
参考:投資できるテーマ一覧
銘柄探しや購入の手間が不要
たとえば「こういうテーマの株を買いたい」と自分で決めることができたとしても、関連する企業を探すのはけっこう手間がかかります。
例えば「高ROE」や「連続増配」の銘柄に投資したい場合、まず銘柄を探す手間、10社に分散投資するなら10の銘柄を購入する手間、相場の状況に合わせて銘柄を入れ替えたりするため、それぞれ定期的に株価や状況をチェックする・・・といった運用の手間がかかります。
しかし、テーマ投資ならあらかじめ銘柄が決まっていてパッケージ化されていて、購入するときもまとめて買えるので、その手間がありません。
また、フォリオは3ヶ月に1度のリバランスの提案で入れ替え候補もアドバイスされます。(入れ替えするかどうかは自分で選択できます)
少額で分散投資ができる
「リスクを減らすためには分散投資がいい」というのは聞いたことがあっても、初心者のうちは分散するほどの資金がなかったり、そもそもどうやって銘柄を構成すればいいかがわかりません。
しかし、テーマ投資ならあらかじめ分散してポートフォリオが組まれているのでその心配は無用です。
テーマ投資のデメリット
逆にデメリットとしては以下のようなものがあります。
- 単元未満株なので手数料は単純計算では割高
- 株主優待は基本的には無し
- 買った当日は売ることができない
- 株価の指定はできない(成行注文のみ)
良い悪いではなく、メリットとデメリットを把握した上で、自分は使うか使わないかを考慮してみると良いと思います。
※メリット・デメリットに関しては2019年1月10日時点のものです。サービスの変更などによって変わる可能性もあります。
投資できるテーマ一覧
- フォリオで投資できるテーマの一覧(全82テーマ)
- LINEスマート投資で投資できるテーマの一覧(フォリオと同じ)
- テーマキラーで投資できるテーマの一覧(全30テーマ)
公式サイトでは各テーマごとの銘柄構成や、直近3年・1年・1ヶ月でそのテーマがどのくらい(何%)成長したかなどを見ることができます。
※テーマ数は2019年1月10日時点のものです。
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