米国ETFの買い方(海外ETFの購入方法)
ETFで日経平均やTOPIXなどいろいろな指数に投資ができるのは非常に便利ですが、ETF取引に慣れてくるともっと視野を広げて米国ETFなど海外のETFも買ってみたいと思うかもしれません。
例えば有名な米国ETFで「VTI(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)」があります。これは先進国・新興国47カ国の株式市場をカバーしたETFで、これ一つで世界に分散投資できる人気の米国のETFですね。
このような海外ETFの買い方(購入方法)を初心者の方にわかりやすいように解説していきます。
※国内ETFの買い方はETFの買い方のページを参照してください。
■このページの内容
米国ETF(海外ETF)って何?
米国ETFはアメリカの株式市場に上場した投資信託で、ETFを1つ買うだけで米国の上場企業全体に投資できたり、S&P500に投資できたりなど、1銘柄買うだけで幅広く分散投資ができる優れものです。
米国の上場企業全体に投資できるVTIや、S&P500に投資できるVOOなどは人気のETFです。
中田敦彦のYouTube大学の「お金の授業」では、米国株投資でのマネーマシンの作り方として、16冊のお金の本を読んだ中田さんの最終的な結論をざっくり言うと「全米株式かS&P500のインデックスファンドに全額投入!長期でコツコツ積み立てながら分配金を再投資して複利運用していく」という結論でした。(その根拠など詳しくは動画を見てください)
これができるものの1つがVOO(S&P500のETF)やVTI(米国の上場企業全体のETF)です。(※動画内では別の日本の投資信託が紹介されていました)
こういったETFを購入できるのが米国ETFです。
また、米国だけでなく日本以外の国(海外)で上場したETFを海外ETFと言います(米国ETFも含まれます)。
日本で買える主な海外ETFの種類
日本で買える主な海外ETFは「米国ETF」と「中国ETF(香港ETF)」です。
日本のETFは株と同じようにどこの証券会社でも購入できますが、海外ETFを買いたいという場合は、海外ETFを取扱っている証券会社やネット証券で取引をする必要があります。
ちなみに、海外ETFを「海外の指標(NYダウなど)に連動するETF」と勘違いをしている方もいるようですが、海外の指標でも日本国内で上場しているETFなら海外ETFではなく国内のETFとして売買できます。
例えばNYダウ平均に連動したETFなら「Simple-X NYダウ・ジョーンズ上場投信(1679)」や「NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種(1546)」などは国内のETFですね。(ただし、信託報酬は海外ETFのほうがかなり安い傾向にあります)
このページで言う海外ETFは海外市場(アメリカや中国など)に上場したETFです。日本市場にはないものもたくさんあり、取引の幅は大きく広がります。
米国ETFと中国ETF(香港ETF)は、マネックス証券・SBI証券・楽天証券の3社で取引ができます。この3社はNISA口座で海外ETFを買うこともできます。
米国株や米国ETFの手数料無料期間があるマネックス証券は人気が高いですね。
また、それ以外の国は銘柄数はかなり少ないですが、SBI証券で韓国ETFとシンガポールETFを、楽天証券ではシンガポールETFを買うことができます。
また、ネット取引はできませんが大手の野村證券ではオーストラリア・ドイツ・イタリア・パリ・ロンドンなどの市場に上場したETFを買うこともできます。(銘柄数はかなり少ないですが・・・)
いろいろな国のETFを買うことができますが、基本は米国ETFなので実際に米国ETFをどのように購入するのか、わかりやすいように2ステップで解説して行きます。
米国ETFの買い方3ステップ
米国ETFを買うというときは、3つのステップで考えていきましょう。
- 米国ETFを取扱っている証券会社(外国株取引ができる証券会社)で口座開設をする
- 買いたいETFを検索する
- 外国株取引で買い注文を出す
順番に見ていきましょう。
1.米国ETFを取扱っている証券会社で口座開設をする
米国ETFは購入できる証券会社が限られていますので、米国ETFを購入するにはまず米国ETFを取扱っている証券会社で口座開設をする必要があります。
主要ネット証券で米国ETFを取扱っているのは以下の3社です。
まずは通常の証券総合口座(日本株取引の口座)を作ると、外国株取引もできるようになります。
ネット証券は口座開設するのにお金はかかりませんし口座の維持費もかかりません。
ネット証券が初めてというかたは、口座開設の手順を図解でわかりやすく解説しているページがあるのでそちらを参照してください。
2.買いたいETFを検索
口座開設が完了したら、ログインして買いたいETFを検索します。
3.外国株取引の口座で買い注文を出す
買いたい商品を決めたら、買う注文を出します。
米国ETFを買うには外国株取引の口座が必要なので、米国ETFだけでなくアメリカの企業の株(米国株)を買うこともできるようになります。
例えばAppleやAmazonなどの株を買えるようになります。米国株は1株単位で買えるので少額で有名企業の株を買えることも多く、取引の幅が広がりますね。
以上ではじめて米国ETFを買うときの買い方の3ステップは完了です。
NISAで米国ETFは買える?
NISAでも米国ETFを買うことができます。ただし、NISAで米国ETFを買う場合はNISAで米国株が買える証券会社でNISA口座を作る必要があります。
それ以外の証券会社や銀行でNISA口座を作っている場合は、米国ETFをNISAで買うには金融機関変更をする必要があります。
米国ETFが購入できる証券会社
米国ETFを取扱っているのは、ネット証券は3社、大手証券会社は5社ともで合わせて8社です。(2018年7月15日現在)
- マネックス証券(米・中)
- SBI証券(米・中・韓・シンガポール)
- 楽天証券(米・中・シンガポール)
- 野村證券(ネット取引不可)
- 大和証券(ネットは一部銘柄のみ)
- SMBC日興証券(ネットは一部銘柄のみ)
- みずほ証券(ネット取引不可)
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券(ネットは一部銘柄のみ)
ネット証券で米国ETFを取扱っているのは以下の3社です。
米国ETFの買い方や外国株取引の口座開設の手順などは米国ETFの買い方3ステップを参考にして下さい。
米国株やETFの手数料無料期間があるマネックス証券は人気が高いですね。
大手証券会社5社も米国ETFや海外ETFが買えます。
- 野村證券(ネット取引不可)
- 大和証券(ネットは一部銘柄のみ)
- SMBC日興証券(ネットは一部銘柄のみ)
- みずほ証券(ネット取引不可)
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券(ネットは一部銘柄のみ)
大手の証券会社でも米国ETFや海外ETFを取扱っていますが、野村證券やみずほ証券はネット取引不可、他も大手はネット取引ができるのは一部銘柄のみとなっているので、米国ETFの取引はネット証券のほうが有利です。
「一部銘柄」とはどのくらいなのか?
試しに公式サイトに取扱銘柄とネット対応が記載されていたSMBC日興証券で調べてみたところ、ネット取引に対応した銘柄は香港市場の5銘柄のみ、米国市場のETFは無しでした。(公式サイト記載の2019年2月1日時点の銘柄一覧)
参考:海外上場ETF(SMBC日興証券)
ただし、大手にメリットがないかというとそうでもなく、野村證券ではネット証券では取扱っていないオーストラリア・ドイツ・イタリア・パリ・ロンドンなどのヨーロッパ市場に上場したETFを買うこともできます。(銘柄数はかなり少ないですが・・・)
ネット取引ができないということは手数料はコールセンター手数料や店頭取引の手数料になるため、ネット取引と比べて手数料がかなり割高になりますので、大手証券会社で米国ETFを買う場合はその点は覚悟しておきましょう。
米国ETFの主な銘柄
海外ETFといったら、やはり主要なのは米国のETFです。そこで、主な米国ETFをいくつか紹介します。
米国ETFにはどんな指数に連動するETFがあるのかなど参考にしてみてください。
- バンガード・トータル・ワールド・ストックETF
先進国と新興国を含む世界約47カ国の大型・中型・小型株をカ バーするベンチマーク指数に連動する投資成果を目指す。 - バンガード・トータル・ストック・マーケットETF
米国株式市場に上場する投資可能銘柄のほぼ100%をカバーする ベンチマーク指数に連動する投資成果を目指す。 - バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF
ブラジル、ロシア、インド、台湾、中国、南アフリカなど、世界の新興国市場の大型・中型・小型株をカバーするベンチマーク指数に連 動する投資成果を目指す。 - バンガード・米国高配当株式ETF
予想配当利回りが市場平均を上回る大型株(REITは除く)を中心に構成されるベンチマーク指数に連動する投資成果を目指す。 - バンガード・FTSE先進国市場(除く米国) ETF
カナダ、欧州地域、および太平洋地域の先進国市場の、大型株・中型株・小型株で構成される指数と同等の投資成果を目指す。 - バンガード・FTSE・ヨーロッパETF
欧州先進諸国の大型・中型・小型株式で構成されるベンチマーク指数に連動する投資成果を目指す。 - バンガード・S&P500ETF
米国の主要業種500銘柄で構成されるベンチマーク指数に連動する投資成果を目指す。 - バンガード・米国トータル債券市場ETF
米国における残存期間1年超の投資適格債券のパフォーマンスを測定する指数に連動する投資成果を目指す。 - ウィズダムツリー 中国株ニューエコノミーファンド
国有企業を除く中国企業株式のパフォーマンスを測定するベンチマーク指数に連動する投資成果を目指す。指数は浮動株調整後の 時価総額加重を採用している。 - ウィズダムツリー 米国株クオリティ配当成長ファンド
米国の成長型の有配普通株式から構成されるベンチマーク指数(ファンダメンタル加重指数)に連動する投資成果を目指す。 - ウィズダムツリー インド株収益ファンド
インドで設立され、取引される収益性が高い企業を対象とするベンチマーク指数(ファンダメンタル加重指数)に連動する投資成果を目指す。 - iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF
配当利回りが比較的高位の米国株式で構成されるベンチマーク指数と同等の投資成果を目指す。 - iシェアーズ ラッセル 2000 ETF
米国の小型上場企業(ラッセル3000種指数のうち、時価総額が下位の2000銘柄)の株式で構成されるベンチマーク指数と同等の投 資成果を目指す。 - iシェアーズ 米国優先株式 ETF
米国の優先株式(債券と株式の性質の両方を有する)で構成されるベンチマーク指数に連動する投資成果を目指す。 - パワーシェアーズ QQQトラストシリーズ1
ナスダック上場の時価総額上位100銘柄(金融業を除く)で構成されるベンチマーク指数に連動する投資成果を目指す。指数を構成す るポートフォリオは四半期ごとにリバランスされる。 - Direxion デイリー S&P 500 ブル3倍 ETF
米国籍のETF。手数料・費用の差し引き前で、基準価額の値動きが S&P500指数の3倍となる投資成果を目指す。オプションやスワップを組み合わせて運用している。
米国株厳選銘柄レポートBOOKより一部引用。実際のレポートBOOKにはそれぞれのチャートや、各ETFのポートフォリオ(主な構成銘柄)、利回りや過去3年のパフォーマンスなど詳細な情報を見ることができます。(閲覧は無料ですが閲覧にはマネックス証券の口座が必要です)
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マネックス証券の米国株ETF買い放題プログラムでは、対象となる米国ETFの取引は取引日の翌月末までに手数料が米ドルでキャッシュバックされます。
対象銘柄は限られていますが、手数料無料で米国ETFが買えるのは嬉しいですね。
米国ETFに限らず、マネックス証券は米国株の個別銘柄の取扱数もダントツで多いので、米国ETFに興味のある方はマネックス証券の口座開設を検討してみるとよいでしょう。
米国ETFの取引ができる外国株の口座開設の手順も参考にしてください。
米国ETFは難しくない
米国ETFの買い方は外国株取引ができる証券会社の口座さえ作ってしまえば簡単です。日本の証券会社で日本語の画面で取引ができますし、情報なども日本語で見れます。
外国株の取引をしたことがない方は「難しいんじゃないか」というイメージがあったかもしれませんが、口座さえ作ってしまえばあとは日本株と同じです。
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