株の空売り(カラ売り)をわかりやすく教えて

株の空売りとは、自分の保有していない株を証券会社から借りて売り、株価が下がったら買い戻して株を返済し、利益を得る売買方法です。

このページでは「空売りとはどういうものなのか?」といった用語の意味を解説します。実践的な使い方などはカラ売りのやり方を参照して下さい。

借りた株を売ってしまう「空売り」の仕組み

空売りの仕組みは簡単です。イメージとしては、証券会社から株を借りて、その株(借りている株)を売ってしまいます。

  1. 借りた株を売る
  2. 買い戻して株を返す

それだけです。売ったときより安く買い戻せれば差額が利益になりますね。100円で売って、80円で買い戻せば20円の利益です。

「え?借りた株を売っちゃうの?」と思うかもしれませんが、大丈夫です。後でちゃんと買って返せばいいんです。

空売りは不正な取引でもなんでもなく、ちゃんと認められた取引方法の一つなので安心してください。

証券会社から借りた株を売ったあなたは、いつかその株を証券会社に返さなければいけません。 返済期限(制度信用取引の場合、借りていられる期間は6ヶ月以内)までに同じ株を買って返す必要があります。

この時、株価が下がっていて、売った時よりも株価が安くなっていれば、安く買い戻す事ができます。 安く買い戻せればその差額が利益となります。

「空売り」での利益の上げ方の仕組み

例) 100万円で空売りをし、株価が90万円まで下がったときに買い戻して株を返せば10万円の利益になりますね。

逆に、株価が売った時より上がってしまっていれば、以前よりも高い値で株を買わなければいけません(借りたものは返さなければいけないので)。 この時の差額が損失となります。

例) 100万円で空売り、株価が110万円まで上がったときに買い戻すと10万円の損失になります。

空売りは通常の取引とは逆で、株価が下がれば利益、株価が上がれば損失になるのです。

空売りの流れ

空売りの流れをわかりやすくまとめると以下のようになります。

1.証券会社から株券を借りて、その時の株価で「売り」ます。

2.株価が下がったら「買い戻し」、借りた株を返済します。

空売りした時より株価が下がっていれば利益、上がっていれば損失です。

証券会社から株を借りるといっても、実際には借りるために何かする必要はありません。信用取引口座という口座を持っていれば、普通に持っている株を売るときと手順は変わらず「信用売り」というところで売るところからスタートできます。


空売りをするには信用取引口座が必要

空売りをする際は、株を証券会社から「借りて」取引をするため、通常の売買口座ではなく、信用取引を使います。

そのため、通常の口座開設だけでなく、「信用取引口座」を開設する必要があります。信用取引口座は、証券会社に預入れた資金の約3倍の資金までの取引ができます。

2022年7月追記:米国株の信用取引もできるようになりました。

空売りのメリット

株価が下がっている時でも利益が得られる

空売りのメリットは、相場が下げている時でも利益を得ることができる点です。株価が急落し、10万円の株が5万円まで下がってしまった場合、その株を「保有」していた投資家は損失を抱えることになりますが、逆にその株を「空売り」していた投資家は、利益を得る事ができます。

株価が上昇局面でも下降局面でも利益を得る事ができるということは、取引の幅が広がり、どんな局面でも利益を得られるようになります。

2022年7月追記:日本株だけでなく、米国株の空売りもできるようになりました。

ツナギ売りで株主優待を受けるのに有利

空売りが使えることによって、ツナギ売りができるので、株価が下がって損してしまう心配なく株主優待を受けることができます。

また、、現物で保有している株を空売りすることで、株を持ったまま株価下落リスクを抑えることができます。

これは長期保有株主優待があって持ち続けておきたい銘柄や、株主番号が変わってほしく無い場合に使えます。※詳しくは空売りのやり方のページ参照

空売りのリスク

損失の幅は上限がない

株を「買った」際は、たとえその会社が倒産して価値がゼロになったとしても、買った値段以上の損失はありません。10万円で現物株を買って11万円の損をする、ということは絶対にありません。

しかし、空売りの場合、株価の上昇に制限はありません。10万円で空売りをした株が、バブル時のように何倍にも上昇し、仮に100万円まで上昇した場合、10万円で売った(空売りした)株を100万円で買い戻し、返済しなければいけません。

信用取引による限度を超えた取引

空売りは信用取引を使った取引です。信用取引は自分の用意した資金の約3倍の金額を動かすことができます。30万円の保証金を入金すれば、約100万円の資金を動かす事ができます。そのため慣れないうちはついリスクの許容範囲を越えた大きな取引をしてしまいがちです。

「100万円の信用余力があっても、実際に入金した30万円以上の取引はしない」など、自分でルールを作り、それを守って取引をする事が大切です。

以上が空売りの解説です。実践的な使い方などはカラ売りのやり方を参照して下さい。

 

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