ジュニアNISAの最大のネック「払い出し制限」が解消
投資の利益や配当金の税金が非課税になるNISA口座が未成年でも作れる「ジュニアNISA」。
非課税で運用できれば子供の将来のためのお金もより大きくできるはず
と思った人は多いと思います。でも・・・
「払出し制限」で18歳になるまで引き出せない
この制限がきつすぎてやめた人、多いのではないでしょうか。
正確には子供が3月31日時点で18歳である年の前年の12月末まで払い出すことができません。(ようするに18歳になる年の12月まで、早生まれの人は18歳になる前の年の12月まで)
うちもそうでした。 子供が産まれたばかりのときに
子供のお金を運用して
少しでも多くしておいてあげたい
と思いました。
でも「18歳まで引き出せない」って
そんな先のことなんて何があるかわからないしなぁ・・・
ということで見送っていました。
私と同じようにジュニアNISAの「18歳まで払い出しができない」という制限でやめてしまった人も多いと思います(実際にジュニアNISAの口座数はNISAやつみたてNISAと比べて全然伸びなかったようです)。
10年以上先のことなんてわからない、それどころか数年先も何があるかわからない時代ですからね。
しかし、2023年末でジュニアNISAの制度が廃止となるため
2024年以降は18歳未満でも解約して引出せるようになります(しかも手続きをすれば20歳まで非課税で運用を続けることもできるんです)。
ジュニアNISAは2023年で制度が終了
制度が終了した後の2024年からは払出し制限がなくなり、18歳(その年の3月31日時点で18歳である年の1月1日以降)に達していなくても ジュニアNISAの口座を解約(廃止)して引き出せるようになります。
もちろん、利益や配当は非課税で受け取って解約ができます。
さらに、引き出す必要がなかった場合は最長で20歳まで非課税で運用を続けることもできます。
ジュニアNISAの非課税期間は5年間なのですが、ロールオーバー(非課税期間延長)の手続きをすることで、ジュニアNISAの期間に買ったものを最長で20歳まで非課税で運用を続けることができます。
新規で買付や口座開設ができるのは2023年内まで
ジュニアNISAの制度は2023年で終了するので、口座開設や新規で買付ができるのは2023年内までです。
よくよく考えれば、もともと引き出すつもりはないんだし、引き出したとしてもこれまでの利益に課税されるだけで違約金などを取られるわけではないので、躊躇することもなかったと思うのですが、なんか解約できなそうな圧力みたいな印象がありましたよね。
その圧力が無くなった今、残された年数はあと3年。
年間80万円のジュニアNISAの非課税枠。子供が2人いれば2人分、3人いれば3人分の非課税枠が与えられています。
大きな利益は狙えないけどリスクも少ない運用だってできるし、高配当な米国株を買ったりもできます(ジュニアNISAで米国株が買えるのはSBI証券 だけ)。
IPOで当たったら使うということだってできます(入金で資金は拘束されますが、買わなければ利益が出ないので解約のデメリット無し)。その場合はそもそもジュニアNISAは年80万円までという上限があるので、ジュニアNISAでIPO抽選に参加できる中ではマネックス証券がおすすめです。(参考:IPOに有利な証券会社)
ジュニアNISAの口座開設の手順
つまり、ジュニアNISAの口座開設の基本的な手順は以下のようになります。
- まず親権者が口座開設
- 口座開設した親権者の同意のもとに未成年口座の開設
- ジュニアNISAの申込
少し複雑なので、わかりやすいように順を追って解説していきます。
ジュニアNISAの口座を作るには、まず未成年口座の口座開設をし、そこからジュニアNISAの口座の申込をします。(未成年口座の開設と同時にジュニアNISAを申し込むこともできます)
そのため、まずは未成年口座を作ることになるのですが、未成年口座を作るには親など親権者がそのネット証券に口座を持っている必要があります。
そのため、このような3ステップの手順で申し込みをします。
- まず親権者が口座開設
- 口座開設した親権者の同意のもとに未成年口座の開設
- ジュニアNISAの申込
以下のページで主なネット証券の未成年口座の開設の具体的な手順を解説しています。
ジュニアNISAでおすすめの証券会社
ジュニアNISAは証券会社によって取扱商品が違ったり、NISAでの取引手数料が無料の証券会社なら手数料がかからないメリットがあったりします。
「何をしたいか」によって選択肢が限られてくることもあります(例えば楽天証券のジュニアNISA口座は手数料は無料ですが、IPOも1株ずつ買うことも外国株取引もできません)。
外国株を買いたい場合はSBI証券、IPOの当選を狙うならマネックス証券が有利、100株単位ではなく1株ずつ買いたいならマネックス証券やSBI証券(楽天証券は対応していない)などです。
基本的にはSBI証券 を選んでおけばほとんど対応しているので問題なく、IPOを狙いたい場合はマネックス証券が有利です。(SBI証券もIPOに対応していますが、ジュニアNISAは資金が限られているためSBI証券の抽選方式では不利)
ジュニアNISAで外国株を買いたいならSBI証券
ジュニアNISAで外国株を買いたい場合は、SBI証券のみ取扱をしています。
AppleやAmazonなどのアメリカの上場企業の株が買える米国株や中国株などの外国株をジュニアNISA口座で取扱しているのは、主要ネット証券ではSBI証券のみです。
- SBI証券 (公式サイト)
- SBI証券の未成年口座やジュニアNISA口座の作り方
- ジュニアNISAでの外国株の買い方(SBI証券)
うちもジュニアNISAで外国株を買いたかったので、SBI証券で口座開設をしました。その様子をレビューしているのでSBI証券で5歳の子供の口座開設をしてみました(未成年口座&ジュニアNISAの同時開設)もよかったら見てみてください。
ジュニアNISAでIPOを狙うならマネックス証券
当選すれば大きな利益が狙えるIPO。ただしジュニアNISAではIPOに申し込めない証券会社もあります。
またIPOには証券会社ごとのルール(配分や抽選方法)と、そのルールに合わせた戦略があります。
資金が年間80万円と決まっているジュニアNISAでIPOを狙うなら、少額でも当選できる確率の高い証券会社を選ぶ必要があります。
結論から言うとジュニアNISAでIPO当選を狙うならマネックス証券がおすすめです。(詳しい理由はIPOに有利な証券会社の小資金で当選を狙うなら”平等抽選”で申込数を増やすの項目を参照してください。
ジュニアNISAで1株ずつ買いたいなら(単元未満株)
ジュニアNISAで100株単位ではなく1株ずつ買いたい(単元未満株を買いたい)なら、マネックス証券(手数料無料)やSBI証券やauカブコム証券で買うことができます。(楽天証券・松井証券は単元未満株の買付の取扱自体がありません)
ジュニアNISAでの単元未満株の取引は手数料無料の対象外ですが、マネックス証券は買付の手数料が無料なので、長期保有が前提のジュニアNISAで単元未満株を買うならマネックス証券がおすすめです。
100円単位で株が買えて買付の手数料が無料のSMBC日興証券のキンカブもジュニアNISA対象なので同じくおすすめです。
まずは親が口座を作りましょう
ジュニアNISAは金融機関の変更ができないため、まずは親権者が口座を作ってみて、「この証券会社でいいな」というところを見つけましょう。
親御さんの口座はNISA口座ではなく普通の口座(証券総合口座)で大丈夫なので、複数の証券会社に口座を作ることもできます。
証券口座を持っていないという方は、ネット証券の口座開設の手順を参考に口座を作ってみましょう。
無料で口座開設ができて、申し込みも5分程度でできます。
ネット証券会社の口座開設の手順
■親の口座開設
ネット証券の通常の口座開設の手順(親の口座開設)は、別ページで解説しているのでそちらを参照して下さい。(参考:ネット証券の口座開設の手順)
■未成年の口座開設
未成年口座の開設は基本的には上記で紹介した口座開設の手順と変わりません。ただし、申し込みにあたって親権者の同意が必要なこと、同意する親権者がそのネット証券に口座を持っていることが必要になります。(参考:未成年口座の作り方)
この手順を経て、はじめて未成年口座やジュニアNISAの口座開設ができます。
いずれにしてもまずは親が口座を作ること(NISA口座でなく普通の口座でかまいません)ですね。
親が口座を作ったらその証券会社から子供名義の口座(未成年口座)も申し込めるので、「この証券会社」と決まっていない場合はいくつかの証券会社に口座を作っておくと良いと思いますよ(口座開設は無料で維持費もかかりません)。
以下のページで主なネット証券の未成年口座やジュニアNISA口座の開設の具体的な手順を解説しています。
ジュニアNISAってどんな制度?
念のため、ジュニアNISAの説明もしておきます。知っている方や興味のないかたは読まなくて大丈夫ですよ。
ジュニアNISAとは、未成年のためのNISA口座で、0歳から19歳までの未成年の方が対象です。
未成年でも未成年口座といって証券会社の口座を作ることはできましたが、NISAの口座開設はそれまでは未成年ではできませんでした。
しかし、2016年からジュニアNISAの制度が始まり、20歳未満の未成年でもNISAの口座を持つことができるようになりました。
といっても、ジュニアNISAの口座は未成年が資産運用や株取引などをするためというよりは、子供のために親などの親権者が運用管理するものです。
両親などが子供の名義で運用し、将来の教育資金などで活用するのが主な目的とされています。
子供や孫が成人するまで非課税の恩恵を受けながら資産運用を行うことができる、というものです。
ただし、ジュニアNISAは通常のNISA口座と少し違う点があるため、まずはその違いについて解説して行きます。
NISAとジュニアNISAの違い
NISAとジュニアNISAの大きな違いは以下のとおりです。
- 非課税枠
NISA120万円・ジュニアNISA80万円 - 非課税期間
NISA・ジュニアNISAともに5年間
(投資をはじめた年を含めて5年後の12月末まで) - 金融機関の変更
NISAは年1回まで変更可能・ジュニアNISAは変更不可 - 対象年齢
NISAは満20歳以上、ジュニアNISAは0歳〜19歳
※いずれも1月1日時点の年齢 - 取引主体者
NISAは本人、ジュニアNISAは親権者 - 引き出し
NISAは可能、ジュニアNISAは18歳まで引出不可(※)
→2023年末でジュニアNISAの制度が廃止されるため、それ以降はジュニアNISA口座も解約することで18歳未満のうちでも引き出せるようになりました
※廃止前に途中で引き出しした場合は非課税枠は解除され、過去に遡って利益に対して税金を徴収されます
通常のNISA口座とジュニアNISA口座の違いは、成人向けの通常のNISA口座の非課税枠が120万円なのに対し、ジュニアNISAは枠が80万円と少し少ないです。
また、ジュニアNISAは、金融機関の変更ができないので、どこでジュニアNISAの口座を作るかは慎重に選んだほうがいいですね。
例えばAppleやAmazonなどの米国株をネットで買いたいなら、主要ネット証券でジュニアNISAで外国株の取引ができるのはSBI証券 の一択となります。
未成年口座で取引できる商品は成人用の通常の証券口座より少ないです(ハイリスクな商品の取引は基本的にできません)。
利益や配当金・分配金に対して非課税なので、大きな値上がりや高い配当収入を狙うこともできるし、分配金再投資型の投資信託などを買ってジュニアNISAで複利運用を長期間にわたってすることもできます。これは大きなメリットですね。
ジュニアNISAの口座を作ったり新規投資ができるのは2023年12月末までですが、それまでに投資したものの非課税期間は5年、その後もロールオーバーの手続きをすれば20歳になるまで非課税で運用を続けられます。
関連リンク
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